2018年9月25日にオープンした日本橋高島屋S.C.新館(関連記事「日本橋高島屋新館開業、『営業時間バラバラ』の理由」「日本橋高島屋新館グルメ ワーカー向けに『全時間対応』」)。高島屋の木本茂社長は「百貨店の編集力と専門店の流行感度の高さを融合させた」と語ったが、その感度の高さを特に感じたさせるのが地下1階の食品フロア「シティマルシェ」だ。全15店舗中12店舗がイートイン併設で、ランチタイムの利用はもちろん、残業後の“ちょい飲み”に対応した店もある。特に人気を呼びそうな6店を紹介する。

行列必至のすし店の立ち食いバージョン「すしの美登利」

 「梅丘寿司の美登利」は都内を中心に10店舗を展開する人気すしチェーンで、回転ずしやテイクアウトなど、さまざまな形で店舗展開している。立ち食い業態としては「立喰美登利エチカ池袋店」があるが、日本橋店ではテイクアウトも併設。行列店の味が待たずにスピーディに食べられるとあって、人気を集めるのは確実だ。

「すしの美登利 日本橋店」は10時半~21時。手前がテイクアウト店、奥が立ち食い店
「すしの美登利 日本橋店」は10時半~21時。手前がテイクアウト店、奥が立ち食い店
日本橋店ランチ限定の「美登利にぎり」(税別880円)
日本橋店ランチ限定の「美登利にぎり」(税別880円)

希少部位を使った焼肉弁当「東京精肉弁当店」

 ここ数年の肉ブームで、「ザブトン」「カイノミ」「トモサンカク」など、希少部位もすっかり定着した。「東京精肉弁当店」では焼き肉店でしか食べられなかったこれらの希少部位を使った弁当を提供する。肉好きの人たちの争奪戦になるのは必至だ。イートインスペースもあるので、もつ入りの牛丼などの作りたての定食も食べられる。

「東京精肉弁当店」の「カイノミ焼肉弁当」(税込み800円)
「東京精肉弁当店」の「カイノミ焼肉弁当」(税込み800円)
イートインスペース限定メニューの「東精の牛丼(もつ入り)定食」(税込み980円)はとろけるような柔らかさ。ほかに「ザブトン定食」(税込み1100円)、「牛3種盛り定食」(税込み1300円)などがある
イートインスペース限定メニューの「東精の牛丼(もつ入り)定食」(税込み980円)はとろけるような柔らかさ。ほかに「ザブトン定食」(税込み1100円)、「牛3種盛り定食」(税込み1300円)などがある

辛さが選べるヘルシー麺「コムフォー」

 都内と千葉県に10店舗を展開する日本初のフォー専門店「コムフォー」も出店。国産米を使用した「生和麺」や、日本人向けにアレンジした味付けと、女性好みのインテリアが人気を集めそう。定番の「チキンフォー」「ゴマフォー」「パクチーまぜフォー」ほか、日本橋店では辛さの選べる「スパイシーフォー」を限定メニューとして提供する。

「コムフォー」は、オリジナルのガラスパーテーションや、アジアンマテリアルを使ったインテリアが目を引く
「コムフォー」は、オリジナルのガラスパーテーションや、アジアンマテリアルを使ったインテリアが目を引く
フォー(数種類から選択)と海老の生春巻き、自家製杏仁豆腐とドリンクがセットになった「日本橋セット」(税込み1180円)。日本橋店限定メニュー「スパイシーフォー」は辛みを1~5辛まで選べる
フォー(数種類から選択)と海老の生春巻き、自家製杏仁豆腐とドリンクがセットになった「日本橋セット」(税込み1180円)。日本橋店限定メニュー「スパイシーフォー」は辛みを1~5辛まで選べる

はやりの“サラサラ系”カレー「東京カレースタンド ハトノモリ」

 本格カレー店の聖地といわれる千駄ヶ谷。そのなかでも特に人気の高い「HATONOMORI(ハトノモリ)」が、商業施設初出店。日本人好みの味を出すために膨大な種類のスパイスを研究。同店オリジナルの配合によるカレーは、スパイシーな料理が苦手な人にもファンが多い。夜はカレー以外のメニューもあり、アルコールも提供しているので“ちょい飲み”もできる。

「東京カレースタンド ハトノモリ」はカウンター席のみ。ランチはテイクアウトも可能
「東京カレースタンド ハトノモリ」はカウンター席のみ。ランチはテイクアウトも可能
副菜+カレー3種の「カレープレート」(税込み1300円)。ポークキーマ(左)、えび(中央)、チキン(右)。はやりのサラサラ系のカレーで、特にエビはビスクスープのような濃厚な味わい。ビーツ入りのポテトサラダ入り生春巻きやサラダなどの副菜もおいしかった
副菜+カレー3種の「カレープレート」(税込み1300円)。ポークキーマ(左)、えび(中央)、チキン(右)。はやりのサラサラ系のカレーで、特にエビはビスクスープのような濃厚な味わい。ビーツ入りのポテトサラダ入り生春巻きやサラダなどの副菜もおいしかった

ギョーザをつまみにビールが飲める「一口餃子専門店 赤坂ちびすけ」

 東京の一口ギョーザの草分け的存在「一口餃子専門店 赤坂ちびすけ」。看板メニューのギョーザのほか、夜は「ゴーヤの浅漬け」「美郷町の梅きゅうり」(各税込み400円)などのおつまみもあり、残業後のちょい飲みにぴったりだ。餃子はニンニク不使用なのでランチでも安心して食べられる。テイクアウトも可。「今帰仁アグー蒸焼売り」は持ち帰って晩ごはんのおかずするのにも向いている。昼も夜も使い勝手のいい店だ。

「一口餃子専門店 赤坂ちびすけ」は沖縄から直接契約で仕入れる稀少な琉球島豚「今帰仁アグー」や、オリジナルのスパイスを使った「ちびすけ餃子」が人気
「一口餃子専門店 赤坂ちびすけ」は沖縄から直接契約で仕入れる稀少な琉球島豚「今帰仁アグー」や、オリジナルのスパイスを使った「ちびすけ餃子」が人気
「一口餃子定食」(税込み800円~)
「一口餃子定食」(税込み800円~)

白米に合うフレンチ「おかずフレンチ マノン」

 「ラ・メゾン・ダミ」「トラディシオン 日本橋」など人気の本格ビストロを展開するネオブラボー初のデリ。既存店で提供している料理をカジュアルにアレンジ。本格的なフレンチなのに白米にも合う「おかず料理」にしているという。特に「牛肩肉の赤ワイン煮」などの煮込み料理は、「ご飯にかけて丼にしてもおいしい味に調整している」(同店)とのこと。

本格ビストロ初のデリ業態「おかずフレンチ マノン」。ワインに合うフレンチの総菜は、近隣のタワーマンションの居住者にも人気を呼びそうだ
本格ビストロ初のデリ業態「おかずフレンチ マノン」。ワインに合うフレンチの総菜は、近隣のタワーマンションの居住者にも人気を呼びそうだ
白米にかけても相性がいいという「牛肩肉の赤ワイン煮」は、100g税別1200円
白米にかけても相性がいいという「牛肩肉の赤ワイン煮」は、100g税別1200円

 営業時間は一部店舗を除いて10時半から21時まで。トレンドをおさえたヘルシーな料理が多いが、イートインは10席未満の店舗が大半。周囲のビジネスパーソンの需要をカバーできるかは疑問だ。だが、すべての店がテイクアウト可能なので、買っていって席で食べる、持ち帰って自宅で食べるなども想定しているのだろう。23時まで営業しているスーパーもあるので、残業続きの人や共働きの人には救世主的なスポットとなりそうだ。

(文/桑原恵美子)

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