夏はビアガーデンで飲むのが楽しみという人は多いだろう。ここ数年で定着してきた「屋上バーベキュー」は手ぶらで利用できて、店が用意した食材を調理するだけという手軽さで人気を集めてきた (関連記事「東京・池袋の駅ビル上に“ちょい飲みビアガーデン”!?」 )。そんな屋上バーベキューに参入したのが、バーベキュー用グリルメーカーのウェーバーだ。
ウェーバーは米国の老舗バーベキューグリルブランドで、2016年から日本市場に本格参入した。(関連記事 「バーベキューが激変! 『どこでも』『超ラク』に」 )。半円型のふた付きボウルに炭を入れ、蒸し焼きにするチャコールグリルが有名だが、日本では煙が出にくいガスグリルをメインに展開。都心部を中心にウェーバーのガスグリルを採用する屋上バーベキュー施設も増えているという。
そのウェーバーが手がけた「Weber Park(ウェーバーパーク)」は、従来の屋上バーベキューと同様に、手ぶらでバーベキューが楽しめるだけでなく、バーベキューのコツや調理法を学べる仕掛けがあるという。
レインボーブリッジを眺めながらバーベキュー
ウェーバーパークがあるのは、商業施設「アクアシティお台場」の屋上。レインボーブリッジなどが一望できる絶好のロケーションだ。施設の中心となる「バーベキューパーク」では肉や魚を組み合わせたコースメニューやアラカルト料理を自分で調理して楽しめる。
体験から購入に誘導する仕掛けも
ウェーバーのグリルは蓋をして蒸し焼きにするのが特徴。そのため、一般的なバーベキューに慣れている人でも最初は調理が難しいかもしれない。店舗では専門のスタッフが指導するが、本場のバーベキューを本格的に学びたいという人のために、料理教室「グリルアカデミー」も併設している。
また、店舗にはチャコールグリル、ガスグリル両方が置かれているが、使ってみて気に入ったグリルをその場で購入できるよう、ウェーバーの商品をそろえたショップもエリア内にある。
食事を通して販促活動
ウェーバーはガスグリルを一度体験してから購入してもらいたいという考えのもと、家電量販店と手を組んで店頭での体験イベントを積極的に行ってきた。同社が日本で展開を始めてからの約2年で、売り上げは当初の約4倍に伸びたという。
2017年5月に発売したカートリッジ式のガスグリル「ウェーバー Q 1250(通称キャンプQ)」の影響も大きい。同社のガスグリルはプロパンガスを使用するものが中心だが、「カートリッジ式のガスグリルを追加したことで手軽に扱えると感じてもらえ、購入へのハードルが下がったのではないか」(同社広報)。
バーベキュー施設を作った理由を、「店頭でのイベントより体験や説明の時間が取れるため」とウェーバー-スティーブン プロダクツ アジアパシフィック地域バイスプレジデントのブライアン・ヘンドリックス氏は説明する。筆者が実際に体験した限り、塊肉を焼くのに約10分程度、スモークサーモンは15~20分程度かかっていた。店頭でただ待つには長いと感じる人にも、バーベキューの待ち時間なら短いと感じてもらえるのかもしれない。
(文/樋口可奈子)