「親日家」台湾に期待を寄せる日本企業

 三井不動産は2022年に台湾3店舗目のアウトレットモールを台南市に出店する予定。これにより、台湾の3大都市圏全てでアウトレット事業を展開することになる。また、21年にはショッピングセンター「ららぽーと」の台湾1号店を台北市東部の新都心南港区に開設する予定だ。出店エリアは、IT産業を中心にオフィス、商業、住宅など複合的な街づくりが進む新都心で、居住者やオフィスワーカーの他、広域からの集客も狙う。

台湾のららぽーと
[画像のクリックで拡大表示]

 三井不動産やアトレのほか、小売店ではメガネの製造小売り「ジンズ」や美容クチコミサイトを運営するアイスタイルの実店舗「アットコスメストア」、コーヒーと食材の専門店「カルディコーヒー ファーム」、飲食店ではうどんチェーンの「丸亀製麺」や「コメダ珈琲店」、ラーメンチェーンの「一蘭」など、ここ数年、日系の小売業、飲食業の台湾進出が活発化している。縮小する日本市場での事業拡大が困難になりつつあるなか、海外進出先の第一候補として親日家が多いとされる台湾に白羽の矢が立っているからだ。

 台湾からの訪日観光客は2018年に475万人となり、過去最高を更新。高いブランド力を背景に台湾でのビジネスを拡大し、海外進出の機会を狙う企業が増えている。同時に、台湾でのブランド認知度を高めることでインバウンドの取り込みにつなげる狙いもある。

「いずれは台北駅の上層階やMRTの駅など台北市内の交通拠点に複数出店していきたい」。ブリーズ南山アトレの伊藤浩平総経理も、集客力のある駅ビルを運営するブリーズグループとの取り組みに期待を寄せる。

台湾の人気店が今秋日本に上陸

 日本企業の台湾進出が盛んになる一方で、日本に上陸してくる台湾企業も。19年秋に東京・日本橋に開業する「コレド室町テラス」の目玉は、台湾の大手書店チェーン「誠品書店」を手がける「誠品生活」だ。アジア経済圏を舞台に事業拡大を図る大手小売業の新たな戦いが始まろうとしている。

(文/橋長初代)