片手で持てるコンパクトサイズながらハイエンドな性能を持つスマートフォンの人気は根強い。「iPhone SE」の後継機種が登場しなかったのに加え、海外メーカーを中心に6型クラスの大画面モデルが市場を席巻しつつあることからその将来が危ぶまれている。コンパクト・ハイエンドスマートフォンは絶滅してしまうのだろうか。

登場しなかったiPhone SEの後継機

 2018年のスマートフォン関連の話題の1つに、アップルが「iPhone SE」の後継機を投入しなかったことがある。4型ディスプレーを搭載する小型モデルながら「iPhone 6s」に引けを取らない性能を備えるiPhone SEには、いまも根強いファンがいる。

 iPhone SEの発売から2年以上が経過した2018年、そろそろ後継機が発売されるのではないかという臆測もあり、実際にiPhone SEの後継機に関する報道も数多くあった。

 ところが2018年に登場したのは、いずれも6型前後の大画面ディスプレーを備えた「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」の3機種のみ。iPhone SEの後継機はラインアップされなかったため、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などでは落胆の書き込みも目についた。

4型ディスプレーを搭載する「iPhone SE」。2016年の発売だが、2年以上たった現在も後継機は発売されていない
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 実を言うとiPhone SEは、コンパクトさを求める人に向けたモデルというよりも、低価格モデルの人気が高い新興国に向けたモデルとしての意味合いが強い。にもかかわらず、より低価格な中国メーカー製の端末に新興国市場を奪われたため、アップルは従来より高額かつ高付加価値のモデルを先進国市場に投入する戦略に切り替えたとみられる。アップルが2019年以降、端末の販売台数を公表しない方針を発表したのは、“量”から“質”への販売戦略の転換を示していると言えそうだ。