停電対策は発動発電機と大ゾーン基地局

 携帯電話網は、災害によって基地局が壊れることよりも、何らかの原因で停電が発生し、電力が途絶えてしまうことのほうが影響が大きい。そこでキャリアは、停電になっても稼働できるよう、各基地局にバッテリーを用意している。

 バッテリーの容量は基地局の設置場所によって異なるが、役所や役場といった拠点をカバーしている基地局は、停電後も24時間は稼働できる。さらに基地局によっては発動発電機も備えており、燃料が続く限り稼働させることが可能だ。

 加えてNTTドコモとKDDIは、広域災害に備えて「大ゾーン基地局」を用意している。大ゾーン基地局とは、人口密集地の通信を確保するために、通常の基地局よりも広い半径7kmのエリアをカバーする災害時専用の基地局のことだ。

 実はこの大ゾーン基地局、今回の北海道における地震でも活躍している。広域で長期的な停電が発生したことを受け、ドコモは9月6日の16時26分から9月7日の14時45分まで、釧路市内の一部エリアを大ゾーン基地局に切り替えてカバーした。

NTTドコモの西日本オペレーションセンターに設置されている「大ゾーン基地局」のアンテナ。大規模災害時に稼働する。写真は2016年7月21日にNTTドコモが実施した「夏場のネットワーク対策に関する記者説明会」より
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 ちなみにドコモは、大ゾーン基地局に加えて「中ゾーン基地局」も展開している。中ゾーン基地局は、通常の基地局に24時間稼働のバッテリーを備えた上でネットワークの伝送路を二重化するなど、災害に強い仕組みを備えている。大規模災害時に周辺の基地局が使えなくなった場合、この中ゾーン基地局で周辺エリアをカバーする仕組みだ。

NTTドコモでは大ゾーン基地局だけでなく、特定の基地局に災害対策を強化し、いざというときに通常より広い範囲をカバーできるようにする「中ゾーン基地局」も展開している。写真は2016年7月21日にNTTドコモが実施した「夏場のネットワーク対策に関する記者説明会」より
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