スペインのバルセロナで開催された「モバイルワールドコングレス(MWC) 2019」に合わせ、ソニーモバイルコミュニケーションズは新しいフラッグシップモデル「Xperia 1」を発表した。新モデルは、販売台数の激減で存亡の機にある同社のスマートフォン事業を立て直せるのか。Xperia 1の企画・開発意図について、ソニーモバイルの商品企画部門 部門長である田嶋知一氏に話を聞いた。

市場の読み違いが招いたXperia Xシリーズの低迷

 業績が好調なソニーグループの中にあって、唯一不調を極めているのがソニーモバイルコミュニケーションズのスマートフォン事業。同事業の不振を受け、ソニーモバイルは2016年に「Xperia Z」から「Xperia X」へとブランドを変更した。しかしベゼルの細い縦長ディスプレーや複眼カメラといったトレンドに乗り遅れ、消費者から「古臭い」という声が相次いだ結果、さらなる販売低迷を招いてしまった。赤字続きで存在が問われている同事業の立て直しを図るべく、ソニーモバイルが発表した新モデルが「Xperia 1」だ。

Xperia 1は画面の縦横比が21対9と、前機種「Xperia XZ3」よりさらに縦に長い4K有機ELディスプレーを採用。背面には広角、望遠、超広角の3つのカメラを搭載するなど、意欲的なモデルに仕上がっている。もちろん日本でも発売される予定だ
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 ブランド変更から3年がたった現状について田嶋氏は、「市場の読み違いがあった。消費者は必要最小限で手頃な価格の商品を求めるという読みでXperia Xシリーズを展開したが、他社はテクノロジーのイノベーションを追求する流れを止めず、ユーザーもそちらに付いていってしまった」と語る。その後、Xperia XZシリーズを立ち上げてテクノロジー追求路線に変更を図ったものの、結果を出すには至らなかったという。

「Xperia 1」を手にした田嶋氏。低迷したXperia Xシリーズでの3年間を受け、Xperia 1では大幅なリニューアルを図ったと話す
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 一方でソニーモバイルは、全てを自社でそろえる従来の路線から、パートナー企業の技術を取り入れる路線への転換を図ってきた。「そうしたパートナーとの協業による開発で実力を高められたことは大きな成果になった」(田嶋氏)。