2018年末に総額100億円の大規模なキャンペーンを展開したソフトバンク系スマートフォン向け決済サービス「PayPay」。セキュリティーの問題が解消されたため、19年2月12日から第2弾を実施すると発表したのだが、その内容と狙いは大きく異なる。
インパクトと課題を残した年末のキャンペーン
スマートフォンでQRコードを読み取って代金を支払う、「QRコード決済」と呼ばれるサービスの顧客争奪戦が過熱している。そんな中、総額100億円の大規模なキャンペーンで話題をさらったのが「PayPay」だ。
「PayPay」はソフトバンクとヤフーが設立した合弁企業PayPay(東京・千代田)が提供するQRコード決済サービスで、提供を開始したのは2018年の10月。後発ということで、既にサービスを提供している楽天の「楽天ペイ」や、LINEの「LINE Pay」などと比べ、知名度などで後れを取っていた。
そこでPayPayが仕掛けたのが、利用者に総額100億円を還元する「100億円あげちゃうキャンペーン」だ。その内容は、25万円を上限として「PayPay」で支払った代金の20%を還元するというもの。さらに、抽選で10回から40回に1回の割合で最大10万円を還元するとした。
このキャンペーンは開始直後から高額商品の支払いに「PayPay」を利用する人が続出したため、わずか10日間で100億円を使い切って終了する事態となった。
おかげで「PayPay」の累計登録者数は400万人を突破。知名度の向上という点では大きな効果をもたらしたものの、2つの問題も発覚した。1つは、利用者が殺到したことで発生したシステム障害。4度にわたって「PayPay」での決済が不能になったのだ。そしてもう1つはセキュリティーの問題である。不正に入手されたクレジットカード情報が「PayPay」に登録され、決済に使われる事件が続発したのだ。