携帯市場は、間もなく春商戦を迎えようとしている。ところが、毎年この時期に合わせてスマートフォンの新機種を発表していたauが動きを見せていない。それにはいくつかの理由があるようだ。

戦略の転換が見送りの理由ではない?

 2月は受験シーズン。その後は新入学生をターゲットにした、携帯電話業界で最大の商戦期を迎えるのだが、2019年の春商戦に向けたキャリア(電気通信事業者)の動向を見ると、いくつかの異変が生じているようだ。

 象徴的なのが、KDDI(au)が春商戦に向けた新製品発表会を実施しなかったこと。NTTドコモ、ソフトバンクが春商戦向けの新機種の投入を見送るようになって久しいが、auだけは昨年の1月も低価格モデルを主体とした春商戦向けの新機種を発表して話題となった。ところが今年1月29日の発表会では、新サービスについての発表があったのみだ。

例年、春商戦に向けた新機種を年初に発表していたauが、2019年は新機種の投入を見送るようだ。写真は18年1月9日のau春モデル説明会より
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 理由として考えられるのは、18年に代表取締役社長が高橋誠氏に代わったことである。高橋氏の社長就任以降を振り返ってみると、Netflixと携帯電話の料金をセットにした「auフラットプラン25 Netflixパック」を大々的に発表した一方で、スマートフォン新機種に関しては説明会にとどまっており、端末よりもサービスに重点を置く傾向が強まったように見える。

 そうした戦略転換を受けて、春商戦に合わせて新機種を用意する必要はないと判断した可能性は否定できない。だが筆者は、別の理由で新機種の投入を見送った可能性もあるとみている。

サービス重視の傾向を強めているauは、19年1月30日より新キャンペーンを展開する。同社の端末を新規購入または機種変更したユーザーは、音楽配信サービス「Apple Music」が6カ月無料で利用できるとのこと。写真は29日に開催されたイベント「au × music 2019」より
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