温暖地向けの新品種 きぬむすめの秘密

早栗永人(そうくり ながひと)さんがきぬむすめを栽培している三朝町(みささちょう)加谷にある田んぼ。右端に見える国道179号線(津山街道)を上っていくと、鳥取県と岡山県の県境にある人形峠にたどり着く
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 これまで鳥取県には10回以上足を運んでいるのだけれど、岩ガキだったり、松葉ガニだったり、豊饒(ほうじょう)な日本海が育んだ食材を賞味する機会が多かった。まさか鳥取県の山里で旨い米が作られているとは夢にも思わなかった。私ならずとも、鳥取県民の皆さんにもあまり知られていないに違いない。なにしろ鳥取米は、過去に一度も特Aを取ったことがなかったのだ。中国地方としても平成15年に島根県産「コシヒカリ」が特Aを取得して以来の快挙である。

 平成23年に初めて参考出品したところ、特Aを取得。翌平成24年も参考出品で特A。続く平成25年と平成26年は一般出品で特Aの評価を受けた。4年連続で特Aに輝いたのは、コシヒカリではない。新品種「きぬむすめ」である。

 きぬむすめは、温暖地向け品種として平成4年に九州沖縄農業研究センターで誕生した。中国、四国、近畿などではきぬむすめを奨励品種に採用しているが、鳥取県産がいち早く特Aを取得した。その中でも鳥取県中部の、中山間地域にある三朝町(みささちょう)で取れるきぬむすめが旨いと評されている。

早栗永人さんは長年コシヒカリだけを育ててきたが、平成24年からきぬむすめも作付することにした
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