「ちまたではポールダンスを楽しむ人の裾野が広がっている」――日経MJの記事(2016年5月18日付)でこう報じていた。ポールダンスの愛好者は、運動不足の解消を目指すOLや主婦が大半を占めるが、なかには小学生の子どもと親子で楽しんだり、体力づくりのために挑戦する60代の女性もいるという。SNS(交流サイト)のインスタグラムへの写真投稿で目を引き、「いいね!」を集めやすい“インスタ映え”の題材であることも、若い女性のポールダンス人気に拍車をかけているようだ。

 ポールダンスは、なぜ一般の人たちの間に広がりを見せるのか。それは、“夜の世界”にとどまらなくなったから。旧来のエロいだけのダンスとは違う、アクロバティックな技を魅せるポールダンスが、若者が集まるクラブを中心に登場するようになった。OLなど若い女性の目には「エロカッコいい」と映り、憧れをかき立てたことがまず大きい。このあたりの話は、以前に取材した記事「“エロ”ってカッコいい! 『ポールダンス』にハマるオンナたち【その1】」に詳述している。やがて、フィットネス感覚で始める女性が増え、現在にいたる。多少上達すると、他人に見られるのが楽しい。“魅せる筋トレ”ともいえる。ポールダンスはSNSで映えるイマどきの趣味になった。

 さて、本題はここからだ。ポールダンスの発展は、そうした流行現象にとどまらない。一部はスポーツとしてのあり方を追求し、世界標準の統一ルールを定めた採点競技「ポールスポーツ」にまで進化した。将来の目標に、五輪の正式種目入りを掲げる。実現するには競技人口の男女比や地理的な広がり、組織化などの点で基準を満たさなければならない。ポールスポーツのルールや普及の現況、小学生の女の子も参戦する大会の様子などは、前回前々回の記事で紹介した通りだ。

 今回は、圧倒的に女性選手が多いポールスポーツ競技の世界で、数少ない男性選手の演技と、とても興味深いダブルスの妙技をご覧いただこう。本記事に掲載する写真は、2017年4月に大阪で開催された第4回全日本ポールスポーツ選手権大会2017で披露された演技を撮影したものである。

※本記事は、2012年に統一ルールを規定し、五輪種目入りを目指す「ポールスポーツ」に注目するシリーズの最終回です。第1回「ポールダンスを五輪種目に!? スポーツ化で普及目指す」、第2回「演技や衣装は大人顔負け 子ども版ポールスポーツの世界」とあわせてご覧ください。