記憶に残るゲーム、を合い言葉に開発力強化

――ゲームのプラットフォームのバリエーションが増えて、スマホゲーム市場のように競合タイトルの数が爆発的に増えてくると、有名なゲームタイトルを持っていても新規のユーザーを獲得するのは難しいのではないでしょうか。

松田氏: ディスカバリー・イシューというやつですね。特にモバイルマーケットでいうと、自社の新規のゲームをどうお客様に知っていただけるのか、競合が多くて、存在に気付いていただけないという問題は確かにあると思います。それをどうやって解決するのかというと、単純にランキングに頼るだけではなくて、いろいろなタイプの相互誘客――強いコンテンツから誘客するとか、いろいろな方法があると思うので、相当工夫しなければならないと思います。

 家庭用ゲーム機だけの時代は、プラットフォーマーさんとの対話が重要だったのですが、スマートデバイスやPCなどの世界では、お客様に直接知ってもらわなければならない。プラットフォームが分散化していくと、「気づいてもらう」ということがどんどん重要になってきますね。

――新しいお客様に気づいてもらうための、新しい取り組みとかありますか。

松田氏: やはり、スクウェア・エニックスのコーポレートブランドをどう活用するのかということと、大きく関わることだと思っています。お客様の動線をどのように引くのかということが大事で、現在、いろいろな方法を吟味しています。

――スクウェア・エニックスのゲームだからこんな体験を与えてくれそうだ、という期待感がコーポレートブランドの中に入っていくのでしょうか。

松田氏: そうですね。ゲームのクオリティの品質保証みたいな面はあると思います。家庭用ゲーム機であっても、PCであっても、スマートデバイスであっても、一定のクオリティというものが必要です。また、新しいゲームが出ましたよという告知の動線を、効率的にやらなければならない。そこにも、コーポレートブランドの強みを生かせるのではないかと思っています。

――スクウェア・エニックスとしてのブランドメッセージは持っていらっしゃるものですか。

松田氏: 企業理念でもありますが、スクウェア・エニックスのゲームは「記憶に残るゲーム」というのが、とても重要なことだと社内外に話しています。我々のゲームコンテンツは、ロングテールの商材だと思います。売り切り型のものであっても、運営型のものであっても、長くお客様とお付き合いさせていただくものだと思っています。そういう信頼関係が積み上がることが、エンターテインメントの会社としてのバリューだと思っています。

 今でも、2013年2月にニンテンドー3DS版で出した『ドラゴンクエストVII』を遊んでいただいている方がいらっしゃいます。海外スタジオでは、『ジャストコーズ 2』というオープンワールド型のオンラインゲームを3年前に出しましたが、今でも月間50万人のプレーヤーが遊んでいるんですよ。要はどれだけ長く遊んでいただけるかということが我々にとっては価値なんです。そういうものをたくさん積み上げていきたいです。

――新しいプラットフォームになると、ゲームの楽しみ方が変わると思いますが、遊びの本質的なものは変わらないということですか。

松田氏: 極端な例で言うと、「古典」が今でも売れているということと理屈は同じだと思います。もちろん新規のコンテンツを作っていきますが、そこが目指すところかなと思っています。さまざまなタイプのゲームがあると思いますが、共通するところは「記憶に残るゲーム」であり、末長くお客様に楽しんでもらえる品ぞろえがたくさんあることが、コンテンツ会社のバリューではないでしょうか。時代の変化などに左右されないものだと思います。

『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』
発売日:(PS版)2000年8月26日   (3DS版)2013年2月7日
対応機種:Playstation、3DS
価格:(3DS版)6090円(税込み)【パッケージ版/ダウンロード版】
ジャンル:ロールプレイングゲーム
(C) 2012 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/ARTEPIAZZA/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
『ジャストコーズ2』
発売日:(北米)2010年3月23日(欧州)2010年3月26日(日本)2010年6月10日
対応機種:Playstation、Playstation 3、Xbox360
価格:7,980円(税込み)
ジャンル:アグレッシブ・アクションアドベンチャー
(C) 2010 Square Enix Ltd. All rights reserved. Published by SQUARE ENIX CO., LTD.
[画像のクリックで拡大表示]