顧客との継続したインタラクションがゲームビジネスの成長エンジンに

――ビジネスモデルが変化しているということは、開発費をこれだけ掛けて、これだけパッケージが売れれば採算が合うという考え方ではないということになってくると思うのですが。

松田氏: 一番大きいのは、固定価格から変動価格へのシフトという点です。パッケージを販売して終わりというビジネスモデルじゃなくなってきています。それは、スマートデバイスだけではなく、プレイステーション4(以下PS4)やXbox Oneなどの新型家庭用ゲーム機も、PCオンラインゲームもそういう方向性になっています。ゲームを発売した後、お客様にいかに継続的に遊んでいただけるのかという、そこが非常に重要なんです。

――オンラインゲームであれば、必要になる会員数は最低何人で、さらに何年は続けなければならないといった投資と回収のバランスも決まってくるのでしょうか。

松田氏: それもケース・バイ・ケースです。MMO(多人数同時参加型オンラインゲーム)も、スマートデバイスゲームもあるので、一律にどうかというものではないと思います。たとえば、売り切りタイプのパッケージゲームであっても、開発期間が3年、4年というスケジュールではなく、毎年出すようなスタイルもあってもいいかもしれません。そういう意味でも、やはり継続してサービスしていくということなんですね。会員が何万人なければならない、というのは投資とのバランスです。

 重要なのは、スクウェア・エニックスのゲームを愛していただいているお客様と、どういう形でインタラクションができるのか、ということ。継続的な関係を維持することです。それは売り切りであってもオンラインであっても変わらないと思います。

――それは固定ファンを確実につかんで、そこを広げていくということが重要ということでしょうか。

松田氏: そのほかに、新規のお客様との接点を提供して、その人たちにファンになっていただくということも重要です。

――そういう囲い込みをより進めるということでしょうか。

松田氏: 一般的に言われる「囲い込み」というような意味ではないです。お客様との関係性が非常に重要だということです。ゲームはエンターテインメント商材なので、お客さまに楽しんでいただくことが一番重要です。次を遊びたい、次はどんなゲームが出るのだろうかとか、この次はどうなるのだろうかという、継続して楽しみにしてもらうところが重要だと思っています。

松田氏は、次を遊びたいと継続して楽しみにしてもらえるゲームを目指したいと話す
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