やるべきテーマが多いのは、大きな変化を起こせる時

――2012年は映画を3本、公開されます。こうした映像展開についてはいかがですか。

辻本氏:2月に公開した実写映画『逆転裁判』とハリウッド映画『バイオハザードV リトリビューション』(2012年9月14日日本公開予定)、そしてCG長編アニメーション『バイオハザード ダムネーション』です。さらに『デビル メイ クライ』の映画化も発表しています。

 カプコンのビジネスモデルにおける大きな利点は、“ワンコンテンツ・マルチユース”に基づくゲームコンテンツのブランド価値向上にあります。これまでは1本ゲームを作ったら、約2年間は次のタイトルが出ませんでした。そこで、次回作が出るまでの間、映画公開やグッズ販売、イベントの開催など、ゲーム以外のメディアで多面展開することでブランド価値を維持したいという考えです。

「日本のゲームも、まだまだいけるじゃないか、と感じてもらいたい」と意気込みを語る辻本氏

 例えば『逆転裁判』のゲームは『逆転裁判4』以降、ナンバリングタイトルをリリースしていません。しかし、その鮮度は落ちていません。『バイオハザード』も同様に、2009年3月に『バイオハザード5』を発売してから3年以上経った今なお『バイオハザード5 オルタナティブ エディション』が売れ続けています。

 その理由はミラ・ジョヴォヴィッチさんが登場する映画が世界のいたる場所で上映されていることや、レンタルDVDの存在のお陰です。つまり、いかにユーザーの目に触れる機会を増やすかが重要なのです。『戦国BASARA』ではプロデューサーが幅広いイベントを仕掛けています。地方自治体がゲームのキャラクターを活用することで、町おこしなど地域振興の一助となっています。

 こうした努力があるからこそ、カプコンのゲームは違うと評価され、そのブランド力を維持し続けることができていると実感しています。

――映画作品について、カプコンは制作費を出資しているのですか。

辻本氏:『逆転裁判』など、一部の作品に出資しています。出資することにより映画制作のノウハウを自社に蓄積すること、逆に映画制作者がゲームの作り方やマーケティングを学ぶなど、ノウハウの共有が狙いです。

――では最後に、2012年にカプコンとしてクリアしたい課題などがあれば教えてください。

辻本氏:もう、それはたくさんあります(笑)。映画もヒットさせたいですし、新作の『ドラゴンズドグマ』や『バイオハザード6』といった大型タイトルを、グローバルで大ヒットさせたい。

 日本のゲーム会社でも、海外の大作と肩を並べるような“トリプルA”のタイトルを作ることができるという、熱い思いで取り組んでいますからね。それによって、日本のゲーム業界に「カプコンができるなら、自分たちだってできる」と思ってほしいですし、ユーザー自身やアジアに対しても「日本のゲームも、まだまだいけるじゃないか」と感じてもらいたい。そう考えると、やるべきことはまだたくさんあります。

 企業としてクリアしたいテーマが多い時期というのは、大きな変化を起こせるチャンスでもあります。課題を理解しながら戦略を立て、着実に成果を上げていくことが重要な年となるでしょう。

――ありがとうございました。

映画『逆転裁判』
制作:日本テレビ放送網株式会社、配給:東宝株式会社、監督:三池崇史、公開日:2012年2月11日、(C)2012 CAPCOM/「逆転裁判」製作委員会
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