米国でゲーム見本市「E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)」が閉幕した。任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」や、マイクロソフトのコントローラーを必要としないシステム「Kinect for Xbox 360」など、ゲームハードの大きな発表が相次ぐなか、ソフトメーカーのKONAMIもこれらのハードに対応した新作タイトルを発表するなど、ニュースの多い年となった。

 E3の開催を前に、コナミデジタルエンタテインメントの田中富美明社長に、今後のゲーム市場の動向や同社の戦略について聞いた。

(聞き手:秦 和俊、インタビューは2010年5月21日に収録)

田中富美明(たなか・ふみあき)
「お客様の求める志向が大きく変わっている」
(写真:山田愼二)
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――2009年度はコナミデジタルエンタテインメントにとって、どのような1年間でしたか。

田中氏:もっとも大きなポイントはお客様の求める志向が大きく変わってきたことです。具体的に“こう変わった”とは、なかなか表現しにくいのですが、サッカーゲームや音楽ゲームといった個々のタイトルでも、ゲームユーザー全体でも、変化していることを実感します。

――当初は2009年度に発売予定だった『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』(PSP)を2010年度に変更したことで業績への影響はありますか。

田中氏:確かに要因の1つではありますが、想定の範囲です。「これは発売しても厳しいだろう」と判断して、制作を途中でやめたり、発売を見送ったタイトルがいくつかありました。

――発売タイトル数は絞り込む傾向にあるということですね。

田中氏:そうです。2010年度は、前年に比べてさらに10%程度絞り込もうと考えています。

――欧米を中心とした海外の状況はいかがでしょうか。

田中氏:欧米市場の落ち込みを感じています。例えば欧州での主力タイトルであるサッカーゲームで見ると、他社のサッカーゲームと比べて、お客様に対する我々の努力が足りませんでした。この差について認識し始めてから、数年が経つのですが、まだまだ建て直しを図っている途中です。今後は、我々の作品の欠点を補い、特長を生かした商品を出せるのではないかと思っています。

――北米での状況はいかがでしたか。

田中氏:昨年のクリスマスシーズンは大変でしたね。ゲームを1本買うと“30ドルキャッシュバック”や“50ドルキャッシュバック”というキャンペーンばかりでした。キャッシュバックが付かないとセールスが動かない状況でもありました。

――流通最大手のウォルマートで中古ゲームソフトを扱う動きもあるようです。

田中氏:日本でもそのような傾向があります。我々メーカーとしては、ゲームソフトを持ち続けていただくことで付加価値が高まるよう、ネットを活用して継続的なサービスを展開しなければならないと思っています。

――現在、ネットを使った追加配信はユーザーへの無料サービスという位置付けだと思いますが、将来的には追加配信にも課金をしていくことになりますか。

田中氏:なっていくと思います。有料の追加配信サービスを始めるタイミングについて検討しています。

――その場合は、パッケージ価格はどうなりますか。

田中氏:商品の戦略により異なりますが、一般的な考え方としては、導入金額(パッケージ価格)を下げたうえで、継続的に課金をしていくモデルになるのではないでしょうか。