2010年3月4日発売の日経トレンディ4月号では、航空業界の今後を予測する特集「激変! エアライン」を掲載している。今年まず、航空業界で大きな変化に見舞われるのが「国際空港」だ。

 3月からは成田空港の発着枠が拡大し、新たな航空会社が次々に就航。10月には羽田空港が本格的な国際空港としてデビューする。首都圏空港の急速な発着枠拡大による影響を最も受けるのは、関西空港や中部国際空港といった、国内第二、第三の国際空港だ。昨年、開港15周年を迎えた関西空港は、首都圏空港の拡大をはじめ、ハブ(拠点空港)化を進めて年々勢力を増す東アジアの国際空港と、どのように戦っていくのか。今後の戦略を聞いた。

――韓国の仁川国際空港をはじめ、東アジアの国際空港がハブ空港として日本の旅行者も取り込み始めている。この状況をどう見るのか。

関西国際空港会社 社長 福島伸一氏(以下、福島社長): 韓国の仁川国際空港や中国の上海浦東国際空港などは、関西空港の最大のライバルだと思っている。だが、これらに対抗できる魅力を関西空港は持っている。

 最大の強みは4000m級の滑走路が2本あり、これが24時間使えること。これは世界的な国際空港の標準フォーマットなのだが、日本の空港でこの条件を備えるのは関西空港しかない。

 海上に建つため騒音問題がないのも利点。そのうえ近くには液晶パネルの生産拠点であるパネルベイや、太陽光発電、リチウム電池などの大手メーカーが控えている。つまり経済的な魅力も大きい。

 さらに観光資源も豊富だ。実に日本の国宝の6割、重要文化財の5割が関西エリアに存在する。これらが関空の強みで、今後成長するポテンシャルでもある。

――こうした強みを生かすために、行っていることは。

関西国際空港会社の福島伸一社長。パナソニック副社長を経て、09年6月から現職に就く

福島社長: 競争力を高めるために、昨年10月から戦略的な施策を打ち始めた。

 その一つが、着陸料のコストダウンだ。関空は過去の歴史的な経緯もあり、総じて高コスト体質。特に象徴的な例として着陸料が高いといわれる。事実、東アジアの国際空港と比べると約3倍も高い(下表参照)

 そこで昨年10月からは、緊急戦略として国際線では新規就航の場合に、着陸料を実質ゼロ、増便の場合は増便分の着陸料を80%割引にした。加えて、ジャンボ機などの大型機材を使った場合も着陸料を割安に設定している。

 こうした料金施策のほかにも、各国の航空会社に直接交渉して関空への誘致活動を行った。その結果、去年の冬ダイヤ以降は、新規就航や増便などで、旅客便だけでも約80の増便に成功した。

■東アジア主要空港の着陸料

成田空港 46万円
関西空港 58万円
仁川国際空港(韓国) 17万円
北京首都国際空港(中国) 18万円
上海浦東国際空港(中国) 18万円
香港国際空港(中国) 23万円
台北桃園国際空港(台湾) 16万円

注)上表はB777-200の着陸料。換金レートは09年9月1日時点