ターゲットは40~50代の男性、価格は250万円くらい?

ルーフラインは67年発売の「トヨタ2000GT」、Cピラー付近は93年発売の2代目トヨタ「スープラ」を彷彿とさせるデザインだ(画像クリックで拡大)

開発責任者の多田哲哉チーフエンジニア。若いころは自らもハチロクに乗っていたという。FT-86 Conceptはハイテクや制御に頼らずに、クルマ本来の気持ちよさを伝えたいと語る(画像クリックで拡大)

 自らレースに参戦する豊田章男社長の意向もあるのか、最近のトヨタは「走る喜び」を積極的にアピールする姿勢が目立つ。今回の東京モーターショーでは、3750万円のスーパースポーツカー「レクサスLFA」(別記事参照)を披露したが、その対局にある身近なスポーツカーがFT-86 Conseptだ。

 メインターゲットは40~50代の男性。つまり80年代の若いころに、かつての「ハチロク」に乗っていた、あるいは憧れていた人々だ。「目指すのは、オヤジがカッコよく見えるクルマ。運転するお父さんを見て、息子が自分も乗ってみたい、運転したいという憧れや夢を抱くクルマにしたい」と多田氏はいう。そしてオジサンたちの楽しそうな姿から、若い人にも関心が広がってほしいと考えている。

83年発売のカローラ・レビン(左)。AE86の車両形式番号から、兄弟車のスプリンター・トレノと共にハチロクの愛称が付けられた。エンジンは130PSの1.6L直4 16バルブDOHC「4A-GEU」を搭載(右)(画像クリックで拡大)

水平対向エンジンといえば現在はポルシェとスバルの独壇場だが、トヨタにも65年発売の「トヨタ スポーツ800」がある。790ccの空冷水平対向2気筒エンジン搭載のコンパクトFRスポーツだ(写真は77年のガスタービンエンジン搭載ハイブリッド試作車)(画像クリックで拡大)

 気になる価格だが、誰もが現実的に買える価格を実現したいとのこと。「83年発売のハチロクが150万~160万円くらい。そのころの大卒初任給と、今の初任給の比率くらいの値段で出したいですね」(多田氏)という。政府や経団連の調査によると83年の大卒初任給が13万2200円、09年が20万8300円だから、ざっと1.58倍。つまり240万~250万円くらいという計算になる。

 今回の東京モーターショーではホンダからも、来年2月市販予定のハイブリッドスポーツ「CR-Z CONCEPT 2009」が登場した。ハイブリッド車でしのぎを削る両社だが、クルマの「走る喜び」をもう一度世に問いたいという思いが、期せずして一致したようだ。

(文・写真/いとう洋介、柳 竹彦=日経トレンディネット)

リアはハッチバックではなく独立したトランクを持つ(画像クリックで拡大)

FT-86 Conceptのエクステリアデザインスケッチ(画像クリックで拡大)

インテリアのデザインスケッチ(画像クリックで拡大)