一部屋だけの工事でなく、間仕切りなどを取り払ったスケルトン状態にしてリフォームする“リノベーション”が近年注目されています。

 住まいの基本性能を高めることができる、レイアウトやコーディネートの自由度が広がり自分らしい空間が手に入る、リフォーム前後で室内イメージが劇的に変えられるなどが人気の理由でしょう。

 大がかりな工事となるリノベーションは予算200万円では難しいかと思いきや、実現させた例はたくさんあります。本特集で紹介する事例からは、コストを抑えるプロの工夫が学べます。

 どの事例でも行われていたのは、間仕切り壁を取り払い、ワンルームとして使う方法です。大工工事や建具、仕上げ材などにかかる費用を浮かせ、広々とした開放感を獲得。照明や空調の数を減らすこともできます。コストの課題を逆手にとってメリットに変えるあたりは、さすがプロの面目躍如です。

事例1 間仕切りや扉をなくしコストダウンを図る
事例2 ワンルームを家具や照明で仕切る
事例3 作りつけ家具で機能別コーナーを
事例4 購入と同時に1件をまるごと改修

 

 天井板をなくすことも効果的です。仕上げ材コストを減らし、高い天井高による開放感が手に入ります(事例1、2、3)。

 高価な設備機器を用いず、造作によってコストダウンを図る方法もあります。事例1ではシステムキッチンを採用せず、1枚の板と単品のコンロとシンクを組み合わせて、オープンなキッチンにしました。オリジナリティーのあるスタイリッシュなデザインに仕上がっています。

 居住者が施工の一部に加わる“セルフビルド”もコストダウンに大いに貢献します。事例4では壁の珪藻土塗りに、事例1ではキッチンの大工工事に、居住者がチャレンジしています。我が家への愛着も増して一石二鳥ではないでしょうか。

 施工者選定の工夫でコストを下げた例もあります。事例2では、建設会社が出した見積もりでは予算がオーバーしたため、設備工事と電気工事は建設会社を通さないで居住者が直に発注する“分離発注”という方法を採用して、予算内に収めています。