デジタル化で高性能化したノイズキャンセリングヘッドホンは、カナルタイプにどこまで迫ったか?

 音質面では必ずしも……というエクスキューズの外せなかったノイズキャンセリングヘッドホン。外来騒音の低減を目的にヘッドホンを選ぶなら絶対的な音質でカナルタイプに理があった。

 だが、そこにソニーの「MDR-NC300D」が現れ、音質の差は以前とは比べ物にならないくらい小さくなった。では遮音に重点を置いた従来のカナルタイプは、何がメリットなのか? これまでのノイズキャンセリングと何が違い、どう選ぶべきか?

 その前に、まずカナルタイプとノイズキャンセリングの特徴をおさらいしておこう。

「装着感と遮音性がトレードオフ」のカナルタイプ

 カナルタイプはモバイル用には人気が高い。耳栓構造で遮音が得られ、ハウジングが小さいので携帯性もいい。このカナルタイプ最大のメリットである「遮音性」はいろんなところに効いてくる。

 地下鉄、新幹線、飛行機と携帯音楽プレーヤーを使いたくなる状況は、たいてい騒音環境だ。でも騒音に対抗してボリュームを上げすぎると音漏れで周囲に迷惑をかけるし、耳への負担も大きく疲れてしまう。

 その状況を改善するのがヘッドホンの遮音性だ。カナルタイプは耳栓型のイヤーピースで遮音を確保していて、メーカーやモデルによって素材や形状に様々な工夫がある。総じて言うなら、イヤーピースの違いは装着感と遮音性に表れ、それぞれトレードオフの関係にある。

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トリプルフランジ型と呼ばれるチップ形状で、外部と耳穴の隙間が3層に渡って遮断される。正しく装着すると、ほとんど何も聴こえないほど遮音は高いが、耳穴の奥までねじ込むように入れる必要があり、違和感も相応にある(画像クリックで拡大)

SHURE

低反発ウレタンにラバーをコーティングしたような、SHURE独自の特殊な素材。装着後に耳穴の形状に合わせて広がることで密着する。トリプルフランジ型同等の遮音を得ながら、違和感を減らすための工夫だ。ただし汚れやすく消耗が早い(画像クリックで拡大)

ソニー

多くのメーカーが採用するシングルフランジ型のチップ。薄いシリコンで出来ていて、着脱も容易で違和感も最小。ソニーの「MDR-NC300D」には高さや直径の異なる7種のチップが付属していて、細かいフィッティングに対応する。ただしトリプルフランジ型やSHUREのチップに比べると遮音性で劣る(画像クリックで拡大)