うっとうしい梅雨の時期に入り、しばらくジメジメとした不快な日々が続いている。この時期、食中毒とともに気を付けなければならないのが、大切なカメラ機材のカビ対策だ。うっかりしていると、貯金をはたいて購入したお宝レンズやボディーを修理送りにするハメになってしまう。

 大切なカメラやレンズをしっかり守るためには、大敵である湿気から保護するのが大事。激安&簡単にできる防湿対策から、プロカメラマンも憧れる防湿庫の選び方までをチェックしていこう。

(文/磯 修=日経トレンディネット)

 湿気がカビの原因になることはご存じの通り。湿度が60%を超えてくると、カビが繁殖しやすい状況になる。パンやお餅などはカビやすいことで有名だが、なぜか食品ではないカメラやレンズにまでカビが生えてしまう。カビの養分になる人間の皮脂が付着しやすいレンズの前玉ならばまだしも、通常は触れることのないレンズユニット内部に生えるのがやっかいだ。

 そのようにカビが発生したレンズは、くもりのような症状を引き起こすため、レンズの解像感が大きく損なわれてしまう。目視で確認できなくても、すでにうっすらとカビが発生していることは珍しくないという。目でくもりが分かるほどなら、相当ひどい状態なのだ。

レンズをのぞき込んだ際、カビが点々と発生しているのが確認できたなら、かなり症状は重いという(画像クリックで拡大)

一見してカビがまったくないように見えても、すでにレンズ内に潜り込んでいる可能性は高い。大繁殖を防ぐためにも、日ごろからの対策が肝心だ(画像クリックで拡大)

カビは清掃では直らないことが多く、修理代はかなり高くなる

 このようにカビが生えてしまったレンズは、修理に出すしかない。カビは表面に付着するだけでなく、レンズの内部に入り込んでしまうため、レンズの清掃だけでは解決できないケースも多い。

 レンズの交換になると、技術料込みで2万円近くかかることもある。1枚あたりの製造コストが高い特殊なレンズを使っている高性能レンズほど、レンズ修理の代金も当然高くなってしまう。

■レンズの修理代金の概算(カビ修理時)
メーカー レンズ名 修理代金の概算
ニコン AF-S DX ED 18-55mm F3.5-5.6G VR 1万500円
AF-S 50mm F1.4G 1万5200円
AF-S DX ED 18-200mm F3.5-5.6G 2万300円
AF-S VR 70-200mm F2.8G 2万4300円
キヤノン EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS 8400円
EF50mm F1.4 USM 1万500円
EF17-40mm F4L USM 1万4700円
EF70-200mm F2.8L IS USM 1万8900円
※各メーカーのサポートページにて調査。送料は含まない。修理が必要な部分に応じて修理代金は変動する場合がある。

カメラやレンズを低湿状態で保管できる防湿庫。昔からの写真ファンでも持っている人は意外と少なく、憧れの存在だ(画像クリックで拡大)

 レンズなどの機材をカビから守るためのアクセサリーとして、防湿庫が有名だ。「ああ、黒いボックスね」と、写真ファンの間で存在自体はよく知られているが、実際に防湿庫を使っている人は少ない。写真撮影を生業としているカメラマンや写真家でさえ、所有率は意外と低いようだ。

 だが、あるカメラマンによると「ふだんからカメラやレンズを使っていれば、防湿庫がなくても問題ない」とのこと。外に持ち歩けば、室内よりも湿気の少ない外気に触れられるし、屋外で撮影していれば太陽光に当たって殺菌効果も期待できる。

 家の押し入れは、湿気を含むよどんだ空気が動かずに滞留してしまう。カメラバッグなどに入れたまま押し入れに突っ込んでおくのが一番いけないのだ。