ゲームと連動した映像ビジネスで統合の成果が

――映像の話が出てきましたが、旧ナムコと旧バンダイグループのサンライズやバンダイビジュアルなどとのコラボレーションの取り組みは進展していますか。

鵜之澤氏:実は、サンライズの宮河(恭夫)常務の依頼で、サンライズが製作する新作アニメーション向けにロボットやキャラクターのデザインを社内で公募したんです。そうしたら、いい作品がぞろぞろ出てきちゃってね(笑)。

 30人くらいの応募があって、皆うまいんですよ。これまで、誰もアニメの仕事はなんかやったことないんだけど、サンライズの人間が見たら一発でOK出すようなロボットやメカデザイン、キャラクターデザインが出てきて驚いた。

 それで、普段の仕事は何をやっているのか聞いてみると「ソウルキャリバーの背景を描いています」とか、「パチンコ部門にいます」とかね。

「サンライズの新作アニメのキャラデザインを社内公募したら、いい作品がぞろぞろ出てきた」(鵜之澤副社長)

――メカデザインとかキャラクターデザインとは関係ない部門に、才能がある人たちがいたというわけですね。

鵜之澤氏:そうそう。こんなに上手なのは、もともとコミックマーケットなどで、同人誌でもやっていたのかと思ったら、これが違う。

 よくよく話を聞いてみると、ある時期からアニメ界を目指していた人がゲーム会社を就職先として選ぶようになっていたんですよ。理由は、アニメ会社に就職しようと思っても、採用人数が極端に少ないし、そもそも正社員を採っていないところがほとんどですからね。

 その結果、テクニックを持っている美大出の人がアニメに近いコンテンツ業界で就職しようと思ったら、ゲーム会社しかなかったというわけ。だから、すごいテクニックを持った人材が入ってきている。それもゲーム用のメカデザインやキャラクターデザインに全く関係ない部署にごろごろいる。旧バンダイの人間は、僕を含めて皆驚いていますよ。

――アニメビジネスでも活躍できる人材を発見できたわけですね。

鵜之澤氏:80年~90年代前半に活躍したアニメ界のクリエーターの多くが今も現役活躍中で、なかなか若くて新しい才能が出てこないなと思っていたら、実は当社にいたんですよ。実際、社内公募で出てきたデザインは、アニメのプロである宮河常務からOKをもらえましたしね。

 ちなみに、公募に参加したクリエーター全員に集まってもらって、すべての公募作品についてサンライズの講評をつけて紹介する機会を設けたんですけど、そこでクリエーターたちから言われたのが、「こういう取り組みを、もっと早くやってほしかった」ってこと。

 皆、バンダイとナムコの統合で、こういうことがもっとできるのかと思っていてずっと待っていたそうなんですよ。

 この言葉を聞いて“ガーン”ときましたね。僕は、ビジネス上のシナジーを優先して考えて、いろいろなことをやってきたんですけど、クリエーターの立場からすると、今回のようなチャンスを待っていたわけ。

 言ってくださいよ! 僕に直接! 言われたらもっと早く動いたんだから(笑)。