桜の大木が満開になっている様子や、目の前に美しく並ぶ桜並木を見ると、ついすべてを入れようとフレーミングしがちになる。だが、仕上がった写真を見るとどこか散漫で、印象に残らない1枚になってしまう。美しいはずの桜並木を撮っても、思ったほど並木の雰囲気が出ないこともある。

 辛うじて天気がよければ、収まりは何とかよくなるもの。だが、曇り空や雨模様で画角を広く撮影してしまうと、ものすごく暗い雰囲気になってしまうのだ。

 桜を撮影する際、曇り空をバックにするとアンダー気味になる。これを避けるには、露出補正やマニュアル露出で明るさを調整する方法がある。それでも、桜の花びらと雲が同系色のため、どうしても花びらが目立ちにくくなってしまう。

 そういう場合は、背景を空ではなく山などの暗いものにして、メーンの被写体である桜を引き立たせるとよい。遠くにある山と手前の桜とのバランスは、撮影者との距離などによって変わってくる。だが、画角が狭い方(=望遠側にズームしての撮影)が、山などを背景に持ってくる時に組み合わせやすくなる。

一般的なソメイヨシノと比べると、河津桜はピンクが濃いので悪天候でも映えやすい。背景に曇り空を少なくして、木が生い茂る山をバックにすると、桜のピンクがより引き立って見える。山の手前を通っていく雲も、いい雰囲気の演出にひと役買ってくれた(LUMIX DMC-TZ7にて撮影、ISO80、1/3.2秒、F4.5、147mm相当)(画像クリックで拡大)

 天気が思わしくないならば、望遠側で一部分をアップにして撮るのがキレイに見せる方法の一つだ。できるだけ曇り空を入れず、極力桜だけが入るようなフレーミングするのがポイント。晴天時の陰影の強い光とは異なり、曇天時は柔らかく回る光のため、しっとりとした和の雰囲気で撮影できるのだ。

できるだけ空が入らないようなフレーミングをしたうえで、AEロックで露出を固定して撮影したカット。富士フイルムの「FinePix F200EXR」のダイナミックレンジ優先モードで撮影した。これで抜けるような青空だったら…と悔やまれるところだが、あまり天気がいいと手前の桜は影で沈んでいたかもしれない(FinePix F200EXRにて撮影、ISO200、1/105秒、F3.3、28mm相当)(画像クリックで拡大)