この不景気のなか、というか、むしろ不景気だからこそ、カップめんの売り上げは伸びているという。ただ、景気低迷で低価格のPB商品に注目が集まる一方、NB(ナショナルブランド)からそれほど個性が強い商品が出ていない印象があった。これには、理由があるようだ。

 2008年1月に即席めんメーカー各社は値上げを行った。小麦の高騰が原因だったが、これ以降、「新しい価格を定着させるため、定番をメーンにした手堅い新商品を中心にしていた」(明星食品)というメーカーもある。

 しかし、値上げから1年、各メーカーともに定番は押さえつつ、新しい価値を感じさせる新商品を投入してきた。カップめんに「ローカロリー」「ヘルシー」といった概念を持ち込んだ日清食品の「カップヌードルライト」、とにかく“麺の食感”を前面に出した明星食品の「究麺(きわめん)」、東洋水産のラーメンスープにうどんを入れるアイデア商品や太さの異なる麺が入った「二刀流」シリーズ。今回は、「新しい価値」を作ろうとしている“新感覚カップめん”を集め、その実力を検証する。

(文・写真/納富廉邦)