寒い季節のご馳走といえば鍋料理。近ごろ、スーパーや量販店では、鍋のだしとしてそのまま使える、レトルトパウチのストレートだしの売り場がにぎやかだ。肉、魚、野菜、それぞれの売り場の横に、鍋のだしコーナーを設けているところも少なくない。人気を集めているのは、だし自体にしっかりと味がつき、そのままご飯にかけてもおいしく食べられる“おかず鍋”。酒のさかなとしても、子供用のおかずとしても大活躍のストレートだしは家で食べる鍋料理に新しい風?

(文/永浜敬子)

 家庭で食べる鍋料理といえば長い間、かつお節や昆布でとっただしで魚介類や肉、野菜を煮込んでポン酢につけて食べる、いわゆる水炊きがメーンだった。 そこに10年ほど前から寄せ鍋、ちゃんこ鍋やもつ鍋用のつゆが登場し、その後、キムチ鍋、豆乳鍋など、しっかりした味をつけただしが台頭してきた。2年ほど前からはカレー鍋が参戦し、今年は さらに個性的なだしが一気に登場。鍋だし市場は、にわかに活気づいている。

フジッコの「美人鍋つゆ」(315円)を使って鍋を作ってみた。だしをそのまま鍋に入れればいいので簡単(画像クリックで拡大)

 各社とも薄めずに鍋にそのまま入れればよいストレートだしの売り上げが好調。ミツカンドライ事業カンパニーマーケティング本部の檜山猛氏は「ここ数年、ストレートだし市場全体で年間2桁以上の伸びで推移している」と語る。1袋300円前後(店頭価格)と、従来の希釈して使うタイプのだしと比べて決して経済的とはいえないストレートだしが、なぜこれほど人気なのか?

 そこで、その人気の謎を探るべく、今期の新製品を中心に鍋だしを試食してみた。昨年はカレー鍋がブームをけん引したが、今年の傾向はよりバラエティ豊かにいろんな味やタイプが登場し、まさに百花繚乱(りょうらん)。これまでの鍋料理の概念が大きく覆される今年の味は?