長らく低迷が続いてきた缶コーヒー市場が、活気づいている。なかでも2008年に入ってから伸長著しいのが、消費者の健康志向を受けた「微糖・無糖」カテゴリーだ。市場の6割を占めるミルク・砂糖入りの「スタンダード」カテゴリーが低迷するなかで、その落ち込みをカバーする勢いで市場を牽引している。

 

(文/平林理恵)

「ワンダ 金の微糖」がヒットし、“微糖”ブームに

 以前からあった「微糖・無糖」カテゴリーが、一躍消費のど真ん中に躍り出るきっかけをつくったのは、1月にアサヒ飲料が発売した「ワンダ 金の微糖」。これは、コロンビア産の高級豆を使用することで、しっかりとしたコーヒーの味わいを残しつつ糖類を74%カットしたプレミアムタイプの微糖缶コーヒー。

「ワンダ 金の微糖」(アサヒ飲料)(画像クリックで拡大)

 「本当は、ミルクも砂糖も入ったスタンダードが飲みたいけれども、健康が気になってやむなく微糖や無糖を飲んでいた人を引き付けた」(アサヒ飲料)ことで売り上げを伸ばし、発売当初100万ケース(1ケース30本)だった年間販売目標は3度にわたって上方修正。市場規模は当初の10倍の1000万ケースにふくらんだ。

 これを受けて、“微糖なのにおいしい缶コーヒー”市場が動き出した。2002年から微糖缶コーヒー「ジョージア ヨーロピアン」を販売している日本コカ・コーラは、7月にこれを刷新。じっくり焙煎したコーヒー豆を使用して、香り高く焼き上げたコーヒーの深い味わいを追求した。キリンビバレッジも、2006年発売の「キリンファイア 挽きたて微糖」を9月にリニューアルし、甘さを少し引き下げることでコーヒー感の際立つ味わいにした。サントリーも2007年に発売した「ボス 贅沢微糖」の香りやコクを高め、9月にリニューアル発売している。サントリーによると、「微糖市場は、前年比120%で拡大しており、その背景には、缶コーヒーのメインユーザーである30~40代の男性の健康志向の高まりがある」という。4月にメタボ健診がスタートしたことも影響しているそうだ。

「キリン ファイア 挽きたて微糖」(キリンビバレッジ)(画像クリックで拡大)

「ジョージア ヨーロピアン」(日本コカ・コーラ)(画像クリックで拡大)

「ボス 贅沢微糖 ―いいとこドリップ―」(サントリー)(画像クリックで拡大)