【DN-01&ジェンマ】それぞれの得意分野で威力を発揮するユニークなATバイク

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 では、2台の印象をまとめよう。「DN-01」「ジェンマ」ともにワインディングをムキになって走るバイクではないし、そういったシーンが似あうとも思えない。しかし、それぞれがちゃんと独自の世界を持っている。

 DN-01は“ゆるさ”がいい。なんだか悪い意味に取られそうだが、そうではない。バイクに追い立てられず、まわりの空気とともに走り抜けていく感覚が楽しいのだ。油圧機械式ATの「HFT」もパーフェクトな仕事をしている。しっかりとした駆動感や違和感がないことなど、実にうまくできている。

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 ジェンマは徹底的に日常域を重視している。潔いほど自分の世界を守り、日常域で乗る限り、とても楽しいバイクだ。もちろん使い勝手もいい。そしてびっくりするほど注目を浴びる。都内で試乗中、信号待ちで何度も話しかけられた。ホンダのCB400SFに乗っていた若いライダーは、「これは未来の乗り物っスよ」とコメントしてくれた。スズキの想いは届いている。

 今回、駆け足で4台のATバイクに乗ったが、どれもおもしろかった。そしてATも悪くはないと思い始めている。市街地でのラクなことはもちろん、ちゃんと作ってあればワインディングでも“スポーツできる”ことに感心した。借りたバイクをすべて返却して、自分のバイクに跨がったら、シフトペダルが時代遅れに感じた。「バイクでATなんて」と、食わず嫌いでいるのはもったいない。最新技術で作り込まれたATバイクに乗ってみれば、ミッション付きのバイクとはまた違う世界が見えてくるはずだ。

(文/西尾 淳=WINDY Co.、写真/平 雅彦=WINDY Co.)

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