ヒットを生んだのは、小劇場出身の役者を使いこなすバランス感覚

――出演者の一人として相棒がヒットした要因はどこにあると思われますか。

 僕は一にも二にもバランスだと思ってるんです。自分を卑下するわけじゃないんですけど、うまかったのはキャスティングで自分も含めて小劇場の俳優をいっぱい配置したこと。気を遣わなくてもいいですから(笑)。

 出番が少なくても、出て来ない回があったとしても、気にしなくてもいいわけです。すると何ができるかというと、杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)、ゲストで来る人たちのための話を中心に濃密な構成ができる。

 失敗してるドラマは、有名な俳優さんをいっぱい配置していることが多い。「この人も描かなくちゃいけない」「この人の見せ場も作らなくちゃいけない」とやっているうちに、話の方が細くなっていくんです。

 その点「相棒」の場合、幹の太い話を展開できるので、そこがいいんじゃないかと。こんなこと小劇団で活動している僕が言うのはおかしいんですけどね。

――会社の仕事でも大人数ならいいプロジェクトができるとは限りませんからね。

 作り手としても、それは楽ですよね。例えば、伊丹役を大物俳優がやったら今の出番じゃ分量が足りない。でも、「相棒」のわき役には小劇場所属の俳優がそろっています。使い勝手がいいし、ゲストの方も意外と演劇畑の人がいたりね。