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 2008年6月某日、編集部のK氏から「星を撮ろう!」という熱い指令が下った。元天文少年だったというK氏が、長年暖めていた企画をついに実行しようというわけである。星空に憧れを抱きつつも、天の川を目の当たりにしたのは中学2年生の夏、福島県の桧原湖のほとりで見た1回だけ。そのほかは日本科学未来館の「メガスターII コスモス」とセガトイズの「ホームスター」だけという筆者が、はたして天体撮影を成功に導くことはできるのか。

 鼻息の荒い編集部K氏とて、天文観測に熱を上げていた学生時代にはデジカメの「デ」の字もなかったため、ことデジタルカメラを利用した天体撮影については初心者である。そこで「手っ取り早くプロに聞こう!」とばかりに、都内某所にある天文ショップに向かった。

 天体撮影を行う上で、まず何を用意すればいいのだろうか。ちょっと調べてみると、デジタルカメラは天体撮影用の改造が必要になったりするようだ。また、熱ノイズに弱いデジカメではなく冷却CCDと呼ばれるものを使ったり、場合によってはデジタルビデオカメラやWebカメラを利用することもあるらしい。これでは望遠鏡をどう選べばいいのかという以前に、何が流星を撮影する上で最適解なのかが全く分からない。

 そこで、東京・秋葉原にある天文ショップ「趣味人(シュミット)」を訪ねてみた。天体撮影のノウハウを教えてもらうだけでなく、撮影に向いた機材を借りてしまおうという図々しい魂胆である。

 シュミットの宮崎淳一店長は、「天体撮影は一眼レフデジカメが主流ですね」と語る。

東京・秋葉原の天文ショップ「趣味人(シュミット)」の宮崎淳一店長(画像クリックで拡大)

 「天体撮影に使う一眼デジカメは、現在キヤノンの『EOSシリーズ』がほとんどのシェアを占めています。長時間露出時のノイズが少ないことが最も大きな理由ですが、天体に向いた機能が付属の『EOS Utility』に実装されているというのもありますね。撮影はノートパソコンとカメラをUSBケーブルで接続し、EOS Utilityを使ってパソコンから露出やシャッター速度などの制御を行って撮影するのが一般的です」

 天体を撮影する場合、被写体が暗いため長時間露光が必須になる。だが一般的な一眼デジカメは、最も遅いシャッター速度が30秒で、それ以上はレリーズボタンを押している間だけシャッターを開く「バルブ」しか選べない。30秒で撮影が完了するような明るい被写体ならそれでもいいが、そうでなければリモート撮影が可能な電子レリーズ装置が別途必要になる。

 電子レリーズ装置は安いもので数千円、高いものでも1万数千円程度で購入できる。だが、安いノートパソコンなら5万円程度で購入できるこのご時世に、ただシャッターを開くためだけに電子レリーズ装置を利用するというのもナンセンスに思える。ノートパソコンとUSBケーブルさえあれば、撮影した写真をその場で確認できるだけでなく、ノートパソコン内のハードディスクに直接記録できるため、メモリーカード容量を気にする必要もない。この組み合わせを選ばない理由はなさそうだ。