チャレンジ精神に富んだ商品開発

 さて、時代を1982年に戻そう。同年10月、明星食品から「クイックワン」という名の、1分間で食べられることをアピールしたカップラーメンが出ている。早くて簡単というカップ麺の特徴を最大にアピールした商品だったが、1分カップ麺はその寿命も短かった。「クイックワン」は1984年10月、「青春という名のラーメン」にリニューアルしている。時間でアピールする商品からネーミングでアピールする商品にリニューアルしたわけだ。この年の他社の商品としては、東洋水産が8月に出した「黄色い博多ラーメン」「激めんカレーラーメンコーン入り」などがある。

 少し進んで1984年8月、東洋水産から出た商品にユニークなカップ麺があった。この年、同社が売り出したのは「LLヌードル醤油・カレー・シーフード」と「納豆ラーメン」。残念ながら筆者は「納豆ラーメン」は食べていないが、どんな味だったのだろう。想像するだけでも面白い。実際、どこでヒット商品が生まれるか分からないわけだから、こういう冗談みたいなラーメンを商品化してしまうメーカーのチャレンジ精神には脱帽してしまう。

 ユニークな商品はほかにもある。カップ麺の生産量が袋麺を抜いた1989年3月、日清食品は面白い製品を開発している。「SUPERBOIL海鮮拉麺」だ。水を入れると瞬間的に沸騰し、ボイルでき、ラーメンができあがる、というものだった。駅弁、カップ酒などでよく見かけるしかけだ。面白いし便利だが、価格が500円と高かったこともあり簡単には売れなかった。

 1999年9月、日清食品は透明カップに入った珍しいカップヌードル、「カップヌードルスケルトン」も限定発売している。紙箱に入っており、箱の前部を開けると透明カップが見えるつくりだった。お湯を注ぐと、お湯が底まで廻り、麺がほぐれ、かやくが戻ってゆくさまをじっくりと見ることができた。

カップヌードルスケルトン(画像クリックで拡大)