インスタントラーメンの麺とスープが別々になり、百花繚乱の時代を迎える

 丼に入れてお湯をかければ完成する味付け麺、特にチキンラーメンの人気が定着して一段落すると、やがて、鍋で沸かした湯で麺を茹で最後に粉末スープを入れる形の「スープ別添(べってん)」タイプの袋麺が台頭した。

 先陣を切ったのは1959年11月、泰明堂(現・株式会社マルタイ)の棒状ラーメン「即席マルタイラーメン」だ。今でも九州出身者にはふるさとの味として愛されている長寿商品だ。

 1960年には品不足も起きるほど即席麺の売れ行きが好調となる。新規参入メーカーもどんどん増えた。即席めん用自動包装機も開発され、好調な売れ行きを支えた。以降、スープ別添の袋麺は百花繚乱の盛り上がりを見せ、インスタントラーメンの市場を一気に拡大させることになる。

 1961年4月、エースコックから「カレーラーメン」が、1962年4月、明星食品から「シナチク入り明星ラーメン」が発売される。「シナチク入り明星ラーメン」は、初めてスープに乾燥ねぎを入れた画期的な商品だった。

エースコック「カレーラーメン」(画像クリックで拡大)

 さらに明星は1962年4月、夏商戦用に「冷やしラーメン」を発売して人気を博した。同年5月、東洋水産の「マルちゃんハイラーメン」が登場する。現在はあまり馴染みのない「マルちゃんハイラーメン」だが、面白いことに今も静岡では根強い人気がある。

東洋水産の「マルちゃんハイラーメン」。1962年、発売時のパッケージ(画像クリックで拡大)

東洋水産の「マルちゃんハイラーメン」。現在のパッケージ(画像クリックで拡大)

 1963年8月、エースコックが発売した「ワンタンメン」は爆発的に売れた。噛みしめる食感と満腹感を得られるように、ラーメンと幅広のワンタンの皮、2種類の麺を入れた商品だ。現在も人気があるこのロングセラー商品、「地域によっては、時に販売実績でチキンラーメンを抜くことがある」(マーケティング部・松山幸裕氏)。

エースコック「ワンタンメン」(画像クリックで拡大)