インスタントラーメンの歴史を振り返ってきた本特集、最後は、ワンタンと春雨を中心に話を進めたい。もっちりとした舌触りのワンタン、ツルッとした春雨。どちらもラーメンと同じ麺類と思われるかもしれないが、JASの基準から言えば緑豆から作られる「春雨」は「麺類」ではない。「小麦粉またはそば粉を原料とする」ものを「麺類」と呼ぶ」(日本即席食品工業協会より)からだ。

 それでも、食べる我々からすれば、カップ麺売場の一角にしっかりと定着した春雨は、感覚的にはインスタント麺に近い。カップ商品としては歴史の浅い春雨だが、消費者のニーズに応える形で登場。定着した。これからのインスタント麺の行方を知るためにもその商品群の歴史を追ってみたい。

 では、まずワンタンの歴史を辿ってみよう。1963年8月「即席ワンタンメン」を発売したのは、エースコックだった。ツルツルしたラーメンと、もっちりしたワンタンの食感のどちらも楽しめた商品だ。続いて1965年8月、日清食品が「ワンタンメン」を売り出した。少し飛んで1972年11月、東洋水産が、プラスチックのトレイに乾燥餃子を並べ袋に入れた「トレーワンタン」を東京・大阪で売り出す。翌1973年の5月、東洋水産はカップ入りの「ホットワンタン」を発売している。

東洋水産「ホットワンタン」。現行品のパッケージ(画像クリックで拡大)

日清食品「ワンタンメン」(画像クリックで拡大)

 その後も東洋水産は、こまめなリニューアルをくりかえしながら、ワンタンの開発を続けた。1978年「激メンワンタン麺」、1983年「ワンタンメン」、1984年「ヌードルワンタン」、1986年「ホットワンタンポーク」「ホットワンタンチキン」「Sサイズホットワンタン」のポーク、チキンという具合だ。