和風麺にビッグネーム商品が誕生

 翌1976年、「カップヌードル」でカップ化の波を起こした日清食品から、和風麺の新ブランドが誕生する。「日清のどん兵衛」だ。まず「日清のどん兵衛きつね」が登場、さらに翌1977年、「日清のどん兵衛天そば」が登場した。うどんは必ずドンブリで食べるという日本人の習慣を再確認し、どんぶり型の容器で発売されたこの商品は、当時のカップめん市場で大ヒットした。その2年後の1978年、今度は東洋水産から「赤いきつねうどん」が登場。「戦車が怖くて『赤いきつね』が食えるか」という武田鉄矢氏のCMで大ヒットした。「どん兵衛」にしても「赤いきつね」にしても、今やカップうどんの代名詞的な商品だが、やはり最初に消費者に与えたインパクトが大きかった。ラーメンほどには味のバリエーションがなく、比較的おとなしい和風麺だけに、一度聞くと忘れない商品名、脳裏に焼きつくようなCM、つい思い出してしまうCMメロディーが効を奏した。そして2年後の1980年、東洋水産は「赤いきつね」に続いて「緑のたぬき天そば」を発売した。

1976年登場の「日清のどん兵衛きつね」(画像クリックで拡大)

1977年登場の「日清のどん兵衛天そば」(画像クリックで拡大)

1978年登場の東洋水産「赤いきつねうどん」(画像クリックで拡大)

1980年登場の東洋水産「緑のたぬき天そば」(画像クリックで拡大)

 お湯を注いで3分から5分待つだけで、そばやうどんが食べられる。しかも容器をそのまま捨てられる。このカップ和風麺の魅力は、それまで、そば・うどんではゆで麺しか買わなかった層を、少しずつインスタント和食麺の棚に呼び寄せるようになる。特に、子供のおやつ、受験勉強の夜食などにちょうどよく、家庭の主婦もカップラーメンよりはカップうどんをと、手を伸ばすようになっていった。