お祭りに行ったら、ソースの匂いに誘われて、ついつい買ってしまう焼そば。上に乗った紅ショウガの酸っぱさがソースの濃さによくあって、スルスルっと食べてしまう。この味がインスタントで食べられたら……。

 そんな思いを実現させたのが、1963年7月に登場した「日清焼そば」だった。フライパンに入れて水を注ぎ、添付のソース味粉末をかけて、箸でかき混ぜながら水を蒸発させればできあがり。発売されたとたんに売れに売れた。

日清焼そば(画像クリックで拡大)

 この商品には開発秘話がある。チキンラーメンの研究者が、チキンラーメンを入れたフライパンをそのままにして席を離れた。用件を済ませて戻ってみると、すでに水は蒸発していて、カラカラになったフライパンの中でめんがすっかりこげている。「あーあ、失敗した」と捨ててしまうのが普通だが、その研究者は汁気のなくなった麺を食べてみた。そしてひらめいた。「これは、焼そばになるんじゃないだろうか? 」。そこから研究チームが立ち上がり、商品化に至ったのだ。