まだまだ目が離せないカップ麺市場

 1992年9月、日清食品から「日清ラ王」しょうゆ・みそが登場。生タイプ麺の歯ごたえに人気が集まった。同年、同じく日清食品から「カップヌードルMISO」が発売される。日清食品にとって、カップヌードルはあくまで和風のラーメンではなくヌードル。だから味噌でなくMISOというわけだ。「カップヌードルSIO」も同様である。この年は、東洋水産から「ホットヌードル」シリーズ、「麺づくり」シリーズも登場している。

「日清ラ王」1992年発売時のパッケージ(画像クリックで拡大)

「日清ラ王」みそ。現行のパッケージ(画像クリックで拡大)

東洋水産「ホットヌードル」1992年発売時のパッケージ(画像クリックで拡大)

東洋水産「ホットヌードル」現行のパッケージ(画像クリックで拡大)

 毎年何百という新製品が登場し、21世紀を迎える。そして進化したカップ麺と言える商品が登場する。2002年10月、「日清具多Goo Ta」(炙焼叉焼麺、手包雲呑麺、鉄鍋炒野菜 肉ソボロ麺、中華海鮮 八宝菜麺)という、豪華なカップラーメンシリーズが登場したのだ。いずれもノンフライ麺で、商品によって形態を変えたもの。特徴はその名の通りインスタントラーメンとは思えない本格的な具材だった。具を手作りしたのが最大の特徴で、一般的なカップ麺が100円前後で売られている時代に、300円という高額商品として登場した。値段は高いが、本格的なラーメンを食べられる点が受け、大ヒットし、市場に定着した高級カップ麺だ。

「日清具多Goo Ta」発売時のパッケージ(画像クリックで拡大)

 もう一つの流れは、エコへの流れ。エースコックは「丸ごと自然に還るわかめラーメン」を発売。日清食品では環境配慮型商品として、洗ってなんども使えるカップで食べるカップヌードルリフィルシリーズを開発した。さらにカップヌードルの容器を循環型資源である紙を使用したECOカップに変更し、CO2の排出を22パーセント削減した。かと思えば、カロリーも具もたっぷりの濃厚ラーメン系も人気が伸びている。

 インスタントラーメンという分野の中心で、さまざまな商品開発が進むカップ麺。その歴史は、まだ40年に達しない。だが、その歴史をこうして振り返ってみると、ターゲットの細分化、簡便性、味・具材、容器・形状の進化には目を見張るものがある。実は今回の取材で、「次のカップ麺はどうなるのか?」という質問を各社に投げかけたのだが、どこからも回答は得られなかった。無論、それは想定はしていたことだが、各担当者の反応からは、「今は話せないが...」という空気が伝わってきた。恐らく、各社とも、消費者を振り向かせるための新展開を計画している最中なのだろう。それは、近い将来にコンビニ、スーパーの店頭にお目見えするに違いない。チャレンジ精神に富んだ、次のヒットカップ麺が何なのか、店頭から目が離せそうにない。

(文/折野冬葱)