復刻がキーワードに

 カップ麺は誕生以来、10代、20代という若年層に消費される商品だった。だが、昨今の少子高齢化に合わせて、カップ麺で育った世代が歳をとってきたため、各社、上の年代向けのマーケティングが重要になっている。そういう意味で「復刻」は今のカップ麺のキーワードだ。例えば、1980年、明星食品から発売された「うまかめん」というとんこつカップ麺。一部の博多ラーメンファンに絶賛されていたこともあり、2008年、限定で復刻版が出ている。

 

 カップめんの生産量は、1972年1億食、73年4億食、74年7億食と推移。75年11億食と10億食のラインを突破。ちなみに、89年には24億500万食に達し、その時点で、袋麺の22億2500万食を超えている。袋麺の章でも説明したが、その頃からインスタントラーメンの主役の座はカップ麺に移ったわけである。カップ麺の生産量は、その後も着実な伸びをみせて袋めんとの差を広げている。最新データによると、袋麺が19億4700万食、カップ麺32億3100万食だ。(参考資料:『インスタントラーメンのすべて』日本食糧新聞社刊)

 

 さて時代を戻して、カップ麺進化の歴史をたどってみよう。1976年、カネボウフーズが「ノンフライタンメン」を発売。袋めんで人気を呼んでいたノンフライ製法を取り入れたカップ麺の登場だった。袋麺から取り込んだのは製法だけではない。ブランドそのものを転用するようになるのだ。1977年、明星食品が発売した「めん吉ラーメンどんぶりくん」だが、「めん吉」は元々袋麺として売られていた商品だった。今では多数の例があるが、「めん吉ラーメンどんぶりくん」は、袋麺のカップ化のはしりだったわけだ。そして明星は1978年、同社の人気袋麺「チャルメラ」を、「チャルメラコーン焼豚入り」というカップ商品にし、1986年10月には、「チャルメラカップしょうゆヌードル」が出ている。1997年、東洋水産も同社の袋麺トップブランド「昔ながらの中華そば」を、カップにしている。