ショッキングな内容だが、だからこそ見るべき映画

『闇の子供たち』

監督:阪本順治/出演:江口洋介、宮崎あおいほか/配給:ゴー・シネマ/8月2日(土)より シネマライズ ほか全国順次ロードショー!/公式サイト:http://www.yami-kodomo.jp/
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『闇の子供たち』

芸術作品というより、社会派の映画。子供には難しいテーマだが、学生などにも観て、考えてほしい作品(画像クリックで拡大)

 8月は夏休みに合わせて、様々な大作映画が公開される。莫大な宣伝費をかけられるこうした映画たちは、普段映画に興味がない人々も惹きつけることができる。

 しかし、大作映画だけが映画ではない。当たり前のことだが、単館系映画にも良質な作品は多数存在しており、8月に公開される中にも、おすすめしたい作品がある。

 これらの作品は映画好きでない人々にはあまり馴染みのないものかも知れないが、そういう人々にこそ見てもらいたい要素を多分に含んでいるのだ。

 8月2日公開の『闇の子供たち』は、今や日本映画界の巨匠の1人に数えられる、阪本順治監督の新作だ。

 阪本は、1989年に本格的なボクシング映画『どついたるねん』を監督し、デビュー作にも関わらず、芸術選奨文部大臣新人賞を受賞した。彼がハードボイルドなタッチの作品を得意としていることは、深作欣二監督の『仁義なき戦い』(1973年)のリメイクである、『新・仁義なき戦い』(2000年)を監督していることからも伺える。しかし、孤独な中年女性のユーモラスな逃避行を描いた『顔』(2000年)が、同年の映画賞を総ナメしたことを転機に、より様々なジャンルの作品を撮っていくようになった。

 近年は『顔』のような、個人の生活圏を題材にした映画を撮るかたわら、『KT』(2002年)、『この世の外へ クラブ進駐軍』(2004年)、『亡国のイージス』(2005年)といった政治的な問題を扱った作品を多く監督している。そんな阪本が次に向かった題材は、ずばり「人身売買」というかなりショッキングなものだった。それが『闇の子供たち』だ。