みうらさんが選曲した2枚組のベスト盤「ディランがロック」。結局こちらはお蔵入りに…。左下には「SAMPLE/NOT FOR SALE」の文字が見える(画像クリックで拡大)

ジャケット裏面のイラスト(画像クリックで拡大)

「ディランがロック」の中面イラスト(画像クリックで拡大)

―たしか、みうらさんのイラストが帯に入ったCDなどいくつかが出ていましたね。

みうら 「ディランがロック」という2枚組のベスト盤をソニーと作りました。この企画は、ディランのマネージャーサイドまでは通ったんですけど、ディランの新譜が出た時期だったので(ベスト盤ではなく)新譜を売ってくれと本人側から言われて、企画が流れちゃって。結局、ノットフォーセール(非売品)でレコード店とかに配られるってことになったんです。

―えっ! 売られなかったCDもあるんですか?

みうら 何千枚作ったかは僕は知らないですけども。結局それがノットフォーセールで出してしまったために、世界のマニアの人がどうしてもほしいものになってしまったんです。イギリスのファンクラブとかそういうのも必死で欲しいわけですよ、日本で出したものですからあれは。一時もう10万円ぐらいの値段になってしまってね。

―なんと、10万円ですか?!

みうら 自分もずっとボブ・ディランのブートレッグ(bootleg/海賊版)を集めるために、新宿西口の近くに事務所構えてた時期もあったんです。毎日、(ブートレッグを売る)西口のレコードショップに行けるようにと思って。もう毎日毎日買いに行ってたんですけど。自分がずっと首絞められてたことを、自分がやるってことになって、これは間違ってるなとはすごい思ったんですけども。

「プヒ~」は、みうら氏が考案した、ディランが奏でるハーモニカの音(写真/山西英二)(画像クリックで拡大)

―ブートレッグに自分が関わってしまうなんて…。

みうら そのとき作ったポスターがこの「プヒ~」というものなんです。ボブ・ディランの話を高円寺の飲み屋で熱く語る人がいたんですが、どれも評論くさいつまらない話だったから漫画にしたらどうかなと思って『アイデン&ティティ』っていう漫画描いたりしました。『アイデン&ティティ』には、自分でボブ・ディランの詩を解釈して勝手に入れ込みました。これも、もうちょっとポップにボブ・ディランっていうのが紹介できれば、きっとみんなも好きになるに違いないなと思ってやったことなんです。『アイデン&ティティ』でディランのハーモニカの音を「プヒ~」って表したんです。ディランが来日したときに、各地のライブ会場でソニーの人と「プヒ~」のポスターを貼ってたんですが、ディラン本人に見つかるとまずいかもっていうことで、はがしたりもしましたね。でもこれも売っているポスターではないので、マニアは欲しいんです。