【インタビュー】みうらじゅん
ディランは「フォークの神様」でなく「ロック」、
それに「ちくわ」みたいにおいしい!

 熱烈なディラン・ファンとして有名なみうらじゅん氏。ディランのベスト盤を企画し、CD用にイラストを描き、1冊丸ごとディランという本『みうらじゅんマガジン vol.1』まで作成したほど熱が入っている。ディランが来日したらどこまでも追っかける…どころか、ニューヨークまで観に行ってしまう。過去に発売されたシングル盤を果てしなく集め、ブートレッグと呼ばれる海賊版を買うために事務所を新宿西口にしたこともあるという。どうしてそこまでディランが好きなのか? その理由を聞いた。先ごろ公開された映画『アイム・ノット・ゼア』や、マーティン・スコセッシが監督した『ノー・ディレクション・ホーム』の話題から、「ディラン=ちくわ」説まで飛び出した超ロングインタビューだ。

1958年京都生まれ。武蔵野美術大学在学中に漫画家としてデビュー。以降、漫画家、イラストレーター、作家、ミュージシャン、ラジオパーソナリティーなどとして活躍中。著書に『アイデン&ティティ 24歳/27歳』(角川文庫)、『D.T.』、ディランや仏像を扱った『みうらじゅんマガジン』(白夜書房)や、いとうせいこうとの共著で『見仏記』シリーズがある。この他、いとうせいこうとの『ザ・スライドショー』や、安斎肇との『勝手に観光協会』などDVD化されている活動も多数。 (写真/山西英二)(画像クリックで拡大)

―では、まず最初に、ディランを好きになったきっかけを教えてください。

みうら きっかけは、吉田拓郎さんなんです。小学校のときはずっと“仏像少年”だったんです。仏像が好きで好きで。ずっと好きだったんですが、中学くらいになって気がついたことは、仏像に詳しくてもモテないってこと。やっとわかったんですよ。中学も仏教中学に行ったんで、将来坊主になろうかなと思ってました。実家がお寺ではなかったので、どっか空いてる東北かなんかの寺に入り込もうと考えてましたね。ただ、仏像についてしゃべってもさっぱり受けない。しゃべればしゃべるほど引かれるってのがよく分かりました。

―それは女の子に?

みうら そう。仏像の話には引いちゃってましたね。だから、モテてそうな人を探そうと思った。それが拓郎さんだったんですよ。ちょうどフォークブームになって、エレックレコード[注1]のころの『イメージの詩』って言うシングル盤買ったんですけども、これを真似すればモテるかもと思って。

[注1]1969年に創設され、今で言うインディーズレーベルの走りとも言えるレコード会社。当時、吉田拓郎、海援隊、古井戸、泉谷しげる、なぎらけんいちなどが所属した。
http://www.elecrecords.com/