今回は、レビューで紹介した10製品について行ったノイズキャンセリング機能と音質テストの結果をまとめてみたい。テストを行った場所は、地下鉄の車内(列車内での使用を想定した)、交通量の多い道路沿い(一般的な屋外での使用を想定)、オフィス内(オフィスや店舗の中など比較的静かな場所での使用を想定)の3カ所。この3カ所で10製品を聴き比べてみた。

 テストに使用した曲とプレーヤーは、第1回の通り。音量は、いずれの場合も音漏れで周囲に迷惑がかからない範囲で行った。なお、MDR-NC500D(ソニー)とHP-NC80(日本ビクター)はノイズキャンセリング機能のモードを切り替えられるが、MDR-NC500D(ソニー)はオートで、HP-NC80(日本ビクター)はLOWとWIDEの両方を試して効果的と思われる方を利用した。

地下と地上を走行する電車内でテスト

 列車内でのテストは東京地下鉄東西線の車内で行った。この路線は南砂町-西葛西間で地下から地上に出て、そこから終点の西船橋までは地上を走行する(全線の約半分近くが地上になる)。乗り通すと地下を走る時の騒音と地上を走るときの騒音の両方をまとめてテストできるのが、この路線を選んだ理由。騒音は地下走行時の方が大きいが、MDR-NC60(ソニー)のように地上走行時の騒音に強い製品もあった。

東京地下鉄東西線は、南砂町-西葛西間で地下から地上に出て、そこから終点の西船橋までは地上を走行する(画像クリックで拡大)

●地下鉄車内テストの結果
【4万~5万円クラス】 NC効果 音質
QuietComfort2
(ボーズ)
NC効果は強くないが、自然に騒音を遠ざける感じで違和感がない。音質はいいが、特に地下走行時には全体的にやや引っ込み気味に聞こえるため、少し音量を上げたくなってしまう。 8.5 8.5
MDR-NC500D
(ソニー)
NC効果は非常に優秀で、強力かつ自然な効き方をする。音はクリアで音量を上げなくてもバランスよくクッキリと聴こえる。素直にいい音と思える音だった。 9 9.5
QuietComfort3
(ボーズ)
装着した状態での遮音性は低いが、NC機能はかなり効果がある。耳に対する圧迫感も強い。音は中~低音域を中心にクッキリとしていて、圧迫感を気にしなければQuietComfort2(ボーズ)よりも聴き取りやすい。 7.5 7.5
【1万円台後半~2万円台前半クラス】 NC効果 音質
ATH-ANC7
(オーディオテクニカ)
NC効果は強いが、耳に対する圧迫感を若干感じる。音は比較的クリアで、音量をあまり上げなくても、どの音域も聴き取りやすい。 8.5 8.5
MDR-NC60
(ソニー)
NC効果は強めで、特に地上走行時はATH-ANC7(オーディオテクニカ)と同等レベルに感じる。音は高音域がやや耳に付くが、クリア。低音が強い音源はバランスがいい。ホワイトノイズがやや気になる。 8 7
RP-HC500
(松下電器産業)
装着した状態での遮音性は、MDR-NC60(ソニー)に較べて少し低い。NC機能は非常に強力で車内アナウンスも聴こえにくくなるが、耳への圧迫感も強い。音は中域にクセがあり、ヌケが悪い印象。 9 6.5
【1万円未満クラス】 NC効果 音質
HP-NC80
(日本ビクター)
装着した状態での遮音性は低い。NC効果は、低めの騒音に効果があり。ホワイトノイズがやや気になる。音は分離がよく、音量をあまりあげなくても比較的よく聴こえる。 5.5 6
RP-HC150-H
(松下電器産業)
NC効果はHP-NC80(日本ビクター)に較べると劣るが、トータルでの静かさはあまり変わらない。音は全体的に引っ込み気味で分離も今一歩。ホワイトノイズは気にならない。 6 5
【カナル型】 NC効果 音質
ATH-ANC3
(オーディオテクニカ)
NC効果は強めだが、耳への圧迫感が少し気になる。音はATH-ANC7(オーディオテクニカ)に近く、クリアで音量をあまり上げなくても、どの音域も聴き取りやすい。 8 8.5
MDR-NC22
(ソニー)
NC効果はATH-ANC3(オーディオテクニカ)よりやや弱い程度。耳への圧迫感はあまり感じない。音は低音~高音域までバランスよく聴きやすいが、もう少しメリハリが欲しいところ。 7.5 7

 音漏れして周囲に迷惑をかけない程度の音量という条件で比較すると、ノイズキャンセリング効果・音質とも最も優秀に感じたのはMDR-NC500D(ソニー)。次いでQuietComfort2(ボーズ)、ATH-ANC7(オーディオテクニカ)、ATH-ANC3(オーディオテクニカ)がよい。音質はやや物足りないものの、MDR-NC60(ソニー)、MDR-NC22(ソニー)もノイズキャンセリング効果は高く感じた。静かさだけならRP-HC500(松下電器産業)もトップクラスだが、耳につく圧迫感になかなか慣れなかった。低価格製品では、騒音は多少我慢しても、比較的クリアでバランスのよい音が楽しめるHP-NC80(日本ビクター)が好印象だった。