人気の1万円台後半~2万円台前半クラスをチェック

 ノイズキャンセリングヘッドホンの中でも、店頭で実際に人気が高く売れ筋なのは、実売価格1万円台後半~2万円台前半クラスの製品だ。今回はこのクラスの代表的な3製品である、オーディオテクニカ「ATH-ANC7」、ソニー「MDR-NC60」、松下電器産業「RP-HC500」をチェックしてみたい。

 このクラスは本体のほか、4万円以上の製品と同様に航空機用アダプター、延長コード、キャリングケース、プラグ径変換アダプターなどが付属する。音質やノイズキャンセリング機能については各製品ごとにかなり傾向の違いがある。

絶妙なバランスで人気の定番製品

■オーディオテクニカ ATH-ANC7
実売価格: 2万4800円程度
重量: 約200g+電池、ケーブル
電源: 単四電池×1(アルカリ電池で約40時間使用可能)
ケーブル取り外し: 可能
モニターボタン: なし
航空機用プラグアダプター: あり
キャリングケース: あり

 オーディオテクニカの「ATH-ANC7」はこのクラスの中で高い人気を持つ製品だ。付け心地はやや固めで、装着しただけでも遮音性は高い。左右からの締め付け感はそれほど気にならないが、ハウジング部分がやや小振りなため、耳の大きい人はやや違和感があるかもしれない。

 ノイズキャンセリング機能をオフにしても再生音が聴こえるタイプだが、オフにすると音量が下がり、音質もかなり劣化してしまう。基本的にノイズキャンセリング機能を常時オンにして使うタイプと考えよう。モニターボタンはついていない。

 ホワイトノイズは少し気になるが、このクラスでは最も目立たない。耳にくる圧迫感・違和感もあまり気にならない。ノイズキャンセリング機能の効きはBOSEの製品に似た印象で、周囲の騒音を自然に遠ざけるように感じた。効きはよく、地下鉄内で気になるゴーっという反響音をよく抑えてくれる。

 音質は優秀だ。低音から高音域までバランスよく出ている音作りだが、音の輪郭がはっきりしていてベース音のアタックの歯切れよさ、シンバルの細かなブラシ音、ボーカルの量感の豊かさなどが感じられる。分離もよくクリア。ジャンルを選ばず聴きやすい、万人にお薦めできる音だろう。BOSEの「QuietComfort 2」には迫力でやや劣り、ソニーの「MDR-NC500D」にはクリアさでやや劣るが、それらの差は小さい。価格差(約1万5000~2万円近くある)やノイズキャンセリング機能の優秀さを考えると、「ATH-ANC7」のコストパフォーマンスは非常に高い。

 気になったのは、駅や地下鉄の車内、会社のオフィスなど場所によって耳障りなハムノイズ(※)を拾ってしまうこと。他のノイズキャンセリングヘッドホンでは、同様のノイズを拾うことがあってもほとんど気にならないレベルだったが、この製品はノイズが大きく気になった。また再現性はなかったものの、金属的な音割れを生じてしまうことが稀にあった。しかしこうしたことを差し引いても、ノイズキャンセリング機能、音質、そして価格のバランスに優れたお薦め製品と言えるだろう。

※ハムノイズ……交流電源に影響されて生じる「ブーン」というノイズ

ノイズキャンセリング機能のオン・オフボタンのみで、外観はいたってシンプル。電池が消耗してくると青色のLEDが点滅して知らせてくれる(画像クリックで拡大)

電池ボックスには、横から挿入するようにして電池を入れる(画像クリックで拡大)

音質 4.5
NC効果 4