バンダイとナムコが経営統合して生まれたゲーム会社、バンダイナムコゲームス。

 新会社としての歩みは今春から3年目に入る。この間、『ガンダム』シリーズや『リッジレーサー』シリーズなど、それぞれの看板タイトルをリリースする一方、統合の効果が見える全く新しいタイトルも登場し始めた。

 市場が大きく変化する中、異なる二つの家庭用ゲーム文化をまとめ上げてきた同社の鵜之澤伸副社長に、今後の展開を聞いた。(聞き手:中村 均)

――今回の年末年始を振り返ってみて、市場はどのような状況でしたか。

バンダイナムコゲームスの鵜之澤副社長

鵜之澤氏:プラットホーム(ゲームハード)について見てみると、2年前にひと通り、次世代機が発売になりましたよね。

 我々は初動やその後の売れ行きを見ながら、タイトル開発を進めてきたわけですが、一部のハードを除いて「このハードならば、こういうユーザーが、これくらい付くだろう」と、予想通りの市場が動き出したのが、この年末年始商戦でしたね。

 やっぱり、ニンテンドーDSのハードの伸びは相変わらずで、ここについては、うちも他社さんも、そんな大きな読みのズレはないんじゃないかな。ただし、タイトル数が各社からこれだけ大量に出てくると、さすがに競争が激しくなっている。

 Xbox 360は従来通りの普及の状況という感じで、一番数字が読みやすいハード。その数字が高いか低いかは別として、Xbox 360向けのタイトルは数字がぶれなかったですね。

 一方、プレイステーション(PS)3は、うちはローンチのときにたくさんリリースしたことから、この年末は『タイムクライシス4』くらい。これは周辺機器の「ガンコン3」が同こんで、定価は1万円以上とかなり高かった。出荷本数も、その条件を加味した範囲の予想値に落ち着いていますね。

 これら以外では、PS2はもう少しタイトルを用意しておけばよかったかなと思っています。あとPSPもね。

ガンコン3を同こんしたPS3向けシリーズ最新作の『タイムクライシス4』
(C)1995-2007 NBGI(画像クリックで拡大)

――PS2とPSPですが、年末年始の売り上げランキングの上位に、PS2では『SDガンダム Gジェネレーションスピリッツ』をはじめ、『NARUTO ナルティメットアクセル2』『スーパーロボット大戦OG外伝』があります。一方、PSPでは『涼宮ハルヒの約束』などが好調のようでしたが、もっと必要だったということですか。

鵜之澤氏:PS2については、なんとなくライン自体が減ってしまっていて……。市場の購買力が今でもこれだけあるなら、もう少しタイトルを用意しておいても良かったなというのが正直な感想。

 一方、PSPは、新型になってハードがあれだけ売れて、市場がこんなにも変化するとは読みきれなかった。この成長市場に対して、うちはあまり新製品を投入できなかったのが残念なんですよね。

年末年始商戦でヒットしたPS2向け『SDガンダム Gジェネレーションスピリッツ』
(C)創通・サンライズ(画像クリックで拡大)

こちらも年末年始のスマッシュヒット作、PSP向け『涼宮ハルヒの約束』
(C)2006 谷川流・いとうのいぢ/SOS団
(C)2007 NBGI(画像クリックで拡大)

――確かにPSPは薄型・軽量になって、市場での動きが急激に活発化しました。

鵜之澤氏:もともとPSPはいいハード。だけど、その新型が薄く軽くなって、ワンセグが見られると聞いても、個人的にはそれほどインパクトは感じなかった。なぜなら、ゲームボーイがDSになったような、「明確に新しいハードになりました」というわけではありませんでしたからね。

 でも、実際には、あの新製品投入をきっかけに売れ行きは急激に伸びた。うち以外でも、PSP向けのタイトルを年末年始に用意していなかったメーカーは、「しまった」と思ったんじゃないかな。

――なるほど、年末年始のPSP向けタイトルの売り上げを見るとそうかもしれません。

鵜之澤氏:そして、うちにとって一番つらかったのがWii向けタイトル。ハードの売れ行きが非常に順調でしたから、いろんなメーカーさんがトライをしたし、うちも結構な数のタイトルを出したんですけどね。その結果は一言で言うと「全滅」。

 Wii向けのタイトルに関しては、ハードの普及度合いから見ると、計画や期待に応えられなかった――というのが、うちの年末年始商戦のおおまかなところ。

――Wii向けは厳しかったとはいえ、それ以外のハード向けについては、売り上げランキングに顔を出したタイトルが多かった印象があります。

鵜之澤氏:小粒なヒットはたくさんあるんですけど、バンプレスト扱いのものを除くと、2007年4月からの年度では、50万本を超えるようなヒットが1本も出ていない。そういう意味でのつらさがあるんです。

 2007年7月に発売した『太鼓の達人DS タッチでドコドン!』は、リピートオーダーによって40万本を超え、この年末年始もかなり動いているから、年度末までには50万本突破の可能性がある。4月にシリーズの新作も出るので、これらDS向け『太鼓』の2タイトルの盛り上がりには期待しているんですけどね。

DS向けのタイトル『太鼓の達人DS タッチでドコドン!』も人気は上々
(C)2000-2007 NBGI(画像クリックで拡大)