Wiiやプレイステーション3(PS3)の発売に先がけること1年。2005年末にXbox 360が登場してから2年余りがたった。北米を中心に世界で好調なセールスを展開し、ワールドワイドでの累計販売台数は2007年末で1770万台を突破した。一方で、日本での普及状況は約55万台(2008年1月末時点の推定)と、立ち上がりが鈍かったPS3と比較しても、なお3分の1以下の規模にとどまる。

 WiiやニンテンドーDSを中心に、ライトなゲームが国内市場を席巻する中、コアユーザーの満足度の高さで勝負するXbox 360の次の一手は――。日本でXboxブランドのかじ取りを担う、執行役ホーム&エンターテイメント事業本部長の泉水敬氏に話を聞いた。(聞き手:秦 和俊)

――Xbox陣営にとって、2007年はどのような1年でしたか。

マイクロソフト 執行役 ホーム&エンターテイメント事業本部長 泉水敬氏
(写真:中島正之)

泉水氏:一言で言うと、「確実に手応えのあった1年」でしたね。予定していたタイトルをきちんとリリースすることができましたし、そういったゲームに対してユーザーの皆さんはしっかり反応してくれました。

 2007年のソフトの総販売本数は2006年に比べて増えていますし、ソフト装着率(編注:ハード1台あたりのソフト販売本数)も国内で約5本という高い数字になっています。Xbox 360の売りであるオンラインサービス「Xbox LIVE」についても、ユーザー数の増加とともに、接続時間が長くなっている傾向があります。それに伴い、コミュニティーも活性化してきました。こういった数々の点において、「手応え」を感じた年となりました。

――2007年の新春インタビューでは、『アイドルマスター』(バンダイナムコゲームス)の盛り上がりが話題として出ました。その後、“アイマス”はすっかりXbox 360の顔になりましたね。

泉水氏:そうですね。取材の際に『アイドルマスター』の話ばかりをして、“『アイマス』の泉水”と最近言われているようなので、今日は『アイマス』の話はしないでおこうと思ったのですが、やっぱり今日もお話ししてしまいますね(笑)。

 あるメーカーの方に、「『アイドルマスター』が、日本のメーカーに夢を与えた」と言われたんです。従来のパッケージソフト販売は、発売から数週間でビジネスの大勢が決まってしまうものでした。その点からすると、『アイドルマスター』の場合、発売当初は、それほど売れたという本数ではなく、オンラインを利用する前の従来のビジネスでしたら、現在のような大きな話題となることもなかったでしょう。

 ところが、その後、Xbox LIVE上でのアイテム販売が爆発的な勢いで収益を上げたことで、タイトルへの注目度が高まりました。このことが、さらにソフトそのものの販売本数を伸ばすことになり、タイトルの寿命を延ばすことができました。

 2007年秋にリリースされた廉価版の販売も非常に好調です。このように、オンラインでの展開によって、ひとつのゲームのビジネス寿命を延ばすことをはっきり示してくれました。こうした新たなビジネスモデルの出現が、メーカーさんに“夢”を与えたのでしょうね。

アーケード機から家庭用ゲーム機への初の移植作として2007年1月に発売された『アイドルマスター』。発売後には、ネット上の動画共有サイトに数々のステージ映像がアップされ話題に。「“とかちつくちて”騒動」も、アイマスの人気沸騰に一役買った
(C) 窪岡俊之 (C) 2003 2007 NBGI(画像クリックで拡大)

ファン待望の2作目は、一番おいしい部分である“ライブパフォーマンス”に特化したシミュレーションゲーム『アイドルマスター ライブフォーユー!』。Xbox LIVEではライブに使用できる新曲も続々配信される
(C) 窪岡俊之 (C) 2003-2008 NBGI(画像クリックで拡大)

――『アイドルマスター』以外のタイトルの状況はいかがでしたか。

泉水氏:2007年後半を代表するタイトルとしては、まず、ミストウォーカーの坂口博信さんが制作総指揮を務めた大型RPGタイトル『ロストオデッセイ』(マイクロソフト)が挙げられます。さらに、シリーズ初のXbox 360タイトルとなるフライトシューティングゲーム『ACE COMBAT 6 解放への戦火』(バンダイナムコゲームス)や、世界中のXbox 360ユーザーに絶大な人気を誇るアクションシューティングのシリーズ最新作『Halo 3(ヘイロー3)』(マイクロソフト)の動きが良かったですね。

――『ロストオデッセイ』のセールスは推定で約10万本と、当初の期待値からすると、少し物足りない結果だったでしょうか。

泉水氏:いえ、セールスについては、まだまだこれからだと思っています。RPGシリーズの初回モノはメガヒットにつながらない傾向が過去にもありますからね。『ロストオデッセイ』はユーザーの評判もいいですし、まずはいいスタートが切れたと評価しています。

 マイクロソフトにとって、『ロストオデッセイ』は非常に重要なコンテンツですので、このタイトルを大事に育てていかなければなりません。欧米でのリリースが始まりましたので、そちらで大きな反響となれば、日本でも再度、話題を提供することができると期待しています。

『ロストオデッセイ』。主人公は1000年を生き続ける“死ねない男”、カイム。制作総指揮は、FFシリーズの生みの親・坂口博信氏。2005年春、Xbox 360の発表とともに本作の製作が発表され、Xbox 360というハードへの期待感を高めた。日本では2007年12月に発売、北米でも2008年2月に発売されたばかり。現在、多くの国のXboxウェブサイトのトップページで本タイトルがフィーチャーされている
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