売り上げアップ、価格競争から脱却…
“サントリー効果”で影響力は絶大

 日本で最高金賞を受賞したメーカーは多いが、その効果はどの程度あったのかは気になるところ。

 まず売り上げが伸びたケースは多い。「売り上げが3.5倍になり、一時は生産が追いつかないほどになりました」(豆腐ようで受賞したJCC)というメーカーもある。要因として、数多くのテレビや新聞、雑誌に取り上げられたことも大きいようだ。

 派手に宣伝をしたわけでもないのに販売店側から「卸してほしい」という声がかかるなど、「取引先の反応が変わった」というメーカーも少なくない。大庄屋は、香川県知事から直々に、東京・新橋にある香川県のアンテナショップへの出店要請を受けた。マルボシフーズは、福岡県の遠隔地にあるにも関わらず、受賞後に遠くはドイツから問い合わせがあり、取引が始まったという。国から海外に進出するための助成金が出たというメーカーもあった。

 また、価格競争の激しい市場で高付加価値化に成功したケースもある。

 「原材料費の値上がりで値上げせざるを得ない状況に追い込まれ、離れてしまったお取引先やお客様もいらっしゃいました。しかし、モンドセレクション受賞後、お客様が戻ってきました」というのは、ラムネの木村飲料。

 「安いのが当たり前」という市場で高級というポジションを築けたのは、大庄屋だ。「小麦粉でも中心の部分のみを使用するので、原材料費は通常より高くつく。だが、従来のさぬきうどんのイメージは、安くておいしい食べ物。そのため、『中元や歳暮の贈答用でも気がひける』という客の声は聞こえていた。それが受賞後は、胸をはって『高級なうどん』といえるようになり、売り上げは倍増しました」(大庄屋)という。

 ただ、実際にその効果が顕著になったのはここ最近だという。40代以上だと子供のころによく食べていた日清製菓の「バターココナツ」などでなじみが深いモンドセレクション。しかし、若い世代には、モンドセレクションの名前すら知らない人も多いのだ。

 「毎年、幕張で行われている食品の展示会『フーデックス』。当社もこちらにずっと出品しているが、ここを訪れる流通関係の方々でもモンドセレクションを知らない人がいるのです」(かねさ)

 そんな若い世代も含めて、「すごい賞らしい」と評判になったのは、サントリーが「プレミアムモルツ」のテレビCMなどで「3年連続モンドセレクション最高金賞受賞」と大きく打ち出してからだ。「消費者の方でも、サントリーさんが3年連続受賞したという広告で、モンドセレクションに関心を持たれたという方が少なくありません」(平松食品)

モンドセレクションの認知度をアップさせたサントリーの「プレミアムモルツ」。ウェブサイトでも「3年連続最高金賞受賞」を大きくうたう(画像クリックで拡大)


 リストを見ると気がつくのが、地方企業が大半だということ。それゆえに、受賞後、「不景気で活気がない地元が盛り上がった」という受賞メーカーも目立つ。「地元小学生が工場見学に次々に訪れ、子供が喜ぶ姿に街全体が元気をもらっている」(ごまドレッシングのマルボシフーズ)。

 中小メーカーも多く、自力で全国に向けて自社の商品を大々的にPRするのは難しいだろう。そんななか、世界レベルの“わかりやすい評価”を受けられるモンドセレクションは、地方メーカーの“救世主”ともいえるわけだ。