ラムネ、漬物、豆腐よう、サプリメント…
受賞ジャンルは実にさまざま

 さて、この“難関”を突破し、最高金賞を受賞した製品はどのようなものか。入手した受賞リストを眺めてみると、実に興味深い事実が分かってきた。

 まずモンドセレクションといえば、ビールやワイン、日本酒などの酒類や菓子など、食品のなかでも嗜好品が受賞しているというイメージが強い。しかし、受賞リストを眺めてみると、意外にバリエーションが多いことに気づく(第2部参照)。

 例えば、ラムネや漬物、ドレッシングを始めとして、日本人でも食べる機会がそれほどないであろう「豆腐よう」などの珍味もある。また、ミネラルウォーターやサプリメントなどといった、必ずしも味を楽しむことが目的でないものも。果てはコーンスターチのような、「これは食品というよりも、食品原料だろう」とつっこみを入れたくなるものまであるのだ。

 というのも、審査部門は、創設当初はビールやソフトドリンク、食品などが中心だったが、範囲を拡大。「チョコレート・製菓・ビスケット部門」「穀類製品部門」「食品部門」「ワイン部門」「蒸留酒・リキュール部門」を始め、「ビール・水・ソフトドリンク・その他ノンアルコール飲料部門」もある。実は非食品分野まであり、「タバコ部門」「コスメ・トイレタリー部門」も。2007年には、「ダイエット・健康食品部門」が新たに設置されたという。

「最高金賞」受賞企業に直撃!
応募はどうやって?どんな審査?

 審査の手順と評価の仕組みは、何となくつかめた。しかし、疑問は、前述のようにジャンルが多岐にわたる製品がどのように審査され、評価がなされているのか、ということ。実は、「具体的な審査方法や基準はわからない」というのが、多くのメーカーの意見。

 「味、品質の安定度、パッケージデザインを審査員が総合的に評価しているらしいが、私たちには、どういう細かい審査をしているかはわからない」(ラムネで最高金賞を受賞した木村飲料)。

 そもそも日本にしかない食品となると、その味の良し悪しを海外の審査員に判断できるのか、という疑問も当然出てくるだろう。「審査基準の詳細はわかりません。また、審査員がどうやって食べているかも当方では知りません。とはいえ、出品する際の用紙に商品の説明をきちんとすることが明記されておりましたので、『日本では、特にご飯に乗せて食べることが好まれています』と記載しました。応募の際に本部からは、試食には各国の食文化に知見のあるスペシャリストが参加して審査していると聞きました」(なめ茸で受賞したナガノトマト)。

 何が評価されたかについても、具体的に知らされていないケースが多いようだ。

 「味覚、品質、デザインも審査したうえで、総合評価が90点以上ないと最高金賞は受賞できませんから、当然、おいしくて、高品質の商品だと思ってもらえたんじゃないでしょうか」(顆粒みそ汁で受賞したかねさ)、「アジア独特のごまの香り、無添加なのに無菌で製造できていることが評価されたのでは」(ごまドレッシングで受賞したマルボシフーズ)、「欧米の方々にも、小麦の味やコシ、ゆでたときに香りが豊かだということは分かっていただけたのではないでしょうか」(うどんで受賞した大庄屋)と、受賞理由は推測の域を出ない。

 一方、審査員から評価されたポイントを直に聞いたメーカーもある。

 「審査員から、ほのかな甘みと酸味、歯ごたえ、えのきとしょうゆのハーモニーが素晴らしいと言われた」(ナガノトマト)という。「味がいい。クオリティが高い」と声を掛けられたのは、さんまの蒲焼で受賞した平松食品。

 つまり、授賞式に出席し、求めればアドバイスがもらえることもあるようだ。

 「『日本酒で海外に進出していくには、どうしたらいいか。情報がほしい』と問うたところ、モンドセレクションのスタッフから『日本酒は、フルーティーな飲み口でドライなほうが欧米で受ける』と言われた。その通りに改良を加えたところ、受賞して欧米で受け入れられた。審査員のアドバイスは有益だった」という声もあった。

 また、「授賞式の翌日には、受賞者を対象にした観光ツアーがある。その際、同行するモンドセレクション事務局スタッフの食べた料理に対するコメント内容から、どんな味を彼らがおいしいと感じるのかをリサーチすることもできる」(平松食品)という。