第1部では、読者の加齢に合わせた受け皿の例として、50歳代に向けた女性誌が新たに誕生したこと、さらに女性誌が細分化していることに触れた。
 第2部、第3部では、同世代の雑誌群の中での違いを解説していく。まずは最激戦区20代向けとこれからの動向に注目が集まる50代向け女性誌を見ていこう。

バラエティーに富んだ20代女性ファッション誌は前半と後半に分けられる

 年代別で女性誌を分けたとき、最も雑誌の数が多いのは20歳代向け。学生や社会人、主婦など読者の職業などがバラエティーに富んでいる年代だからだ。それだけではなく、20代向けは受け皿として待つ30代以降の雑誌の出発点も兼ねているので、重要なポジションと言えるのだ。

 20代向けは大きく20代前半向けと後半向けに分かれる。俗に『赤文字系』と呼ばれる20代前半向けの雑誌は出版社の花形。一方の後半向けは読者のライフスタイルなどに合わせて、さらに3ジャンルに分かれている(詳しくは後述)。

20代前半=『赤文字系』の理由

 『赤文字系』とは、創刊当時に表紙の雑誌名を赤色で印刷していた雑誌のこと。もともとは「CanCam(キャンキャン)」(小学館)、「JJ(ジェイジェイ)」(光文社)、「ViVi(ヴィヴィ)」(講談社)、「Ray(レイ)」(主婦の友社)の4誌を指す。現在では、創刊時に雑誌名を赤字で印刷をしていなかったものの、系統が似ていることから2004年に創刊した「PINKY(ピンキー)」(集英社)を加えた5誌を総称する。

 各誌とも大学生~OL2・3年目といった20代前半の女性をターゲットにしている。“モテたい”、“愛されたい”を基本方針として打ち出しているものが多く、異性からの好感度を重視したファッションを中心に掲載している点が特徴だ。

 しかし、創刊当時はともかく、読者の嗜好(しこう)が多様化した現在となっては、『赤文字系』という同ジャンルの中でさえ、雑誌によっても打ち出すファッションの傾向が微妙に異なっている。

それを分かりやすくしたのが下記の分布図。各誌の詳細は後述するが、“めちゃモテ”スタイルをキーワードにして、広範囲にファッションを紹介する「CanCam」が<モテたいスタイル>の上位に位置する。上品で清楚(せいそ)な服装を掲載する「JJ」と、リボンやフリルなどかわいい路線をたどる「Ray」が<かわいい・清楚>寄り。一方、赤文字系の中で、男性受けよりも自分のファッションスタイルを求める傾向にある「ViVi」は<カッコいい・カジュアル>寄りに位置する。

20代編分布図 PINKY CanCam JJ Ray ViVi

●縦の軸は、異性からモテたい「モテスタイル」と、異性よりも自分の求めるファッションを重視する「自分スタイル」
●横の軸は、清楚な服装で強いインパクトはないが、財布などの持ち物はブランド品中心の「かわいい・清楚(せいそ)」、と派手なアクセサリーやプリントのTシャツにデニムスタイルなどが中心の「かっこいい・カジュアル」

>>>次は『赤文字系』の各誌紹介