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丁寧に仕上げた沖縄の伝統家庭料理
優しい味わいが心身を癒やしす

 今年9月に誕生した銀座の新名所、マロニエゲート。レストランが並ぶ最上階に、沖縄の伝統的な家庭料理を提供する店がオープンした。店名「土の実」は、沖縄の地の恵みのこと。沖縄産島野菜を中心とした料理と、珪藻土ならではの温かみある店内の雰囲気と相まって、時間が経つほどに癒やされていく。

昆布の千切りと豚肉、にんじんを甘辛く煮た沖縄の郷土料理「昆布イリチー」840円
ヌヌイ(もずく)の酢の物520円。抗がん作用があるといわれる健康的なひと皿
プチプチとした食感が心地いい新鮮な「海ぶどう」840円。沖縄から直送されたもの
もちもちとした食感と、なめらかな歯触りがクセになると評判のジーマミー豆富520円

 たっぷりとだしを含んだ島豆腐のチャンプルーや、箸で触れるとほろりとほどけるラフテーなど、それぞれの料理はどこか懐かしさを感じるような素朴な味わい。だが、昆布で丁寧にだしをとった料理は、甘みや辛み、苦みが優しく、健康な素材が持つ力が体にしみじみと染み渡る。その優しくも力強い味わいに、仕事の疲れがいつの間にか癒えていることに気づく。

 同店ならではのメニューの工夫も、“癒やし”に一役かっている。貧血を予防する「海ぶどう」や、動脈硬化や二日良いの改善にもつながるジーマミー豆腐という具合に、料理名とともに説明が添えられているのだ。

 なかには、滋養強壮、疲労回復、肌荒れの予防といった言葉が添えられた料理もあり、カラダと相談しながら料理を選ぶ楽しさも。そんな細やかな配慮もまた、この店の居心地のよさにつながっているのだろう。

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入り口では、沖縄の名陶工、諸見里安譚氏の手になる諸見里シーサーが対をなして出迎えてくれる

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泡盛の甕が並ぶカウンター席。このほか、テーブル席や個室(2人~)も用意されている

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店から一言


宮古島出身の料理長、平良秀男さん。「幼い頃から馴染みのある、体に優しい沖縄の家庭の味を再現したいと」と語る


薬食同源の考えが根づいた沖縄郷土料理
ミネラル豊富な島野菜を味わってください

 沖縄では古くから、食はクムイスン(薬)といわれ、日々の食事が健やかな体を作ると伝えられてきました。当店では、沖縄で30年以上続く料理店「うりずん」の店主・土屋幸さんに料理指導をお願いし、「食はクムイスン」の考えをもとに、脈々と伝えられてきた伝統料理を出します。

 得に、ゴーヤをはじめ、島らっきょう、ナーベラー(ヘチマ)、フーチバー(ヨモギ)…など、沖縄の農家から取り寄せる島野菜のおおらかな旨味は、ぜひとも味わっていただきたい。沖縄は、土壌そのものがミネラル成分が豊富なことから、ビタミンやカルシウムをたっぷりと含んだ緑黄色野菜が一年中栽培されています。

 まさに大地の恵みと呼ぶにふさわしい島野菜の持ち味を生かすため、料理に余計な創作を加えず、優しい味わいに仕上げるのが本来の沖縄料理。昔ながらの体に優しい沖縄家庭料理を味わってください。

 料理とともに楽しんでいただけるよう、沖縄全土の蔵元から厳選した泡盛や古酒も当店の自慢。宮古島出身のわたしとしては、「月桃の花」「察度王」といった銘柄がお薦めですが、そのほかの銘柄も料理に合わせて提案します。沖縄の料理と酒の調和を楽しんでください。

琉球料理・島野菜 土の実

・中央区銀座2-2-14 マロニエゲート12F

・電話 03-5524-6550

・営業時間 11時~16時(15時LO)、17時~23時(22時半LO)

・休みは施設の休館日に準ずる

・カードほぼ全て可

・夜の食事予算一人6000円程度~

・島らっきょう630円

・豆腐チャンプルー840円

・ラフテー1200円

(文/宇治有美子、写真/清水俊和)