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農薬、肥料を使っていない自然栽培野菜
大地の旨みがダイレクトに伝わる料理

 農薬はもちろん、肥料も一切使用することなく育てた自然栽培の野菜や穀物を使用したレストランが、今年6月銀座に登場した。その店の名「日水土」の通り、太陽と水、土本来の力だけで栽培された四季折々の野菜が、毎朝契約農家から届けられる。

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1階では自然栽培の野菜をはじめ、こだわりの食材を販売。2階がレストラン「日水土」

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昭和4年に建築された民家を改築。壁に珪藻土や漆喰を用いるなど、店舗にも天然素材が使用されている

 メニューに書かれた自然栽培の文字に、初めはピンと来なくても、この店の野菜を一度でも味わえば、その弾けるような新鮮な旨さに驚かされるはずだ。例えば、にんじん、きゅうり、パプリカなど、生野菜のスティックが添えられた前菜「帆立貝のタルタル」。摘みたての野菜がもつ骨太な味わいや瑞々しさはもちろん、喉を通り抜けた後も豊かな香りが余韻となって残る。

 続いて注文した「イサキと野菜のロースト」は、熱を加えた野菜の濃厚な甘みが際立つ逸品だ。ローストした野菜が、それぞれ存在感を強く主張。メインの料理とはいえ、主役級の役割を果たしている。

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「イサキと野菜のロースト」2400円。熱を加えた野菜の甘みが魚を引き立てている

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瑞々しい野菜と帆立のタルタルソースの絶妙のコンビネーションが楽しめる「帆立貝のタルタル」1800円

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1階でも販売されている「究極のシュークリーム」。レストランでは、甘酒のアイスが添えられ1200円

 そうした自然栽培の野菜ばかりでなく、天然魚、自然栽培の素材を原料とした調味料など、安心して口にできる食材選びを徹底。料理を食べ進めるほどに、体の中から浄化されていくような心地だ。

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プレートランチ「野菜料理の盛り合わせ」。ご飯と、味噌汁、焙じ茶が付いて1500円

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店から一言


フレンチ出身の浅川勇人。素材はもちろん、美しい盛りつけにも気を配っている


毎朝、農家から直送される最高の野菜
素材が持つ旨味をそのまま引き出します

 自然派の料理というと、「素材はよくても美味しくない」「何か物足りない」というイメージが先攻しがちでした。そんなイメージをなくしたいというのが、この店の大きなテーマ。自然栽培の野菜のおいしさを知ってもらいたいのです。

 契約農家から毎日新鮮な野菜が届きますが、こちらから品物を指定するのではなく、その日、その時々で最もよい状態の野菜を生産者が選びます。そのため、青茄子、白茄子、小布施茄子…というように、さまざまな種類の茄子が一度に届く事もありますが、素材の旨味を最大限に引き出し、それぞれの茄子をいかにおいしく味わってもらおうかとメニューを考えることは、難しくもあり、楽しくもあります。

 野菜に限らず、自然栽培の米、天然醸造、自然栽培の味噌、デザートには無農薬の野草で育てた牛から搾った牛乳や、鶏の卵を使用。素材や調味料一つひとつを丹念に選んでいます。こうして選んだ食材を生かすため、料理はできる限りシンプルに。存分に素材のおいしさを味わえるものを心がけています。

 自然に近い環境で食材を育てるのは、生産者も苦労の連続です。無農薬で育てる野菜には虫が付きますし、雑草も生えてきます。しかし出荷された野菜は、茎や種までおいしく食べられるものもあるほど、自然のうまみを蓄えています。当店が、困難と闘いながら安全な食材、本当においしい食材を追求している生産者の存在を知っていただく場所になれば幸いです。もちろんそれ以上に、それらの食材を使う理由は、ただ本当においしいからなのですが。

レストラン 日水土

・中央区銀座1-21-13

・電話 03-3562-7720

・営業時間 11時半~14時半、18時~23時(ともに30分前にラストオーダー)

・日曜休

・カードほぼ全て可

・夜の食事予算一人6000円程度~

・たっぷり野菜サラダ1500円

・手長海老と野菜のグリエ2600円

・天然鮮魚のカルパッチョ2200円

(文/宇治有美子、写真/古立康三)