銀座特集INDEX へ

作り手の顔が見えるヘルシー厳選素材
安全性も味も基準が高い銀座の料理店

 銀座界隈の慌ただしい変化と同様に、飲食店事情にも新たな波が押し寄せている。最近登場したレストランを見てみると、いくつかのキーワードが思い当たる。そのキーワードとは、“ヘルシー”“厳選素材”“生産者の顔が見える素材を使う”というもの。体に優しい料理を味わえるのが、最近誕生した銀座のレストランの主流のようだ。

 とはいえ、ただ健康志向というだけではない。そこは日本随一といわれるグルメの街。いずれの店も、ヘルシーな料理をいかに美味しく提供するかにも心を砕いている様子がうかがえる。

「薬膳料理などのように、健康を前面に押し出すと、堅苦しいし、味が物足りないんじゃないか、と考える方は多いもの。そうした考えを払拭できる店が作りたかった。ストレスフルな現代人は、外での食事もせめて体にいいものを食べたいという気持ちが強い。それだけに、安心して美味しいものを食べられる店が望まれているし、今後増えていくと思います」。世界最古の薬局、サンタ・マリア・ノヴェッラと提携し、ハーブの香りや薬効の力を取り入れた料理を提供するジャッジョーロ銀座のシェフの岩永建さんはそう話す。

イメージ

世界最古の薬局、サンタ・マリア・ノヴェッラと提携したジャッジョーロ銀座

イメージ

畑から届けられたばかりの自然栽培の野菜からは、土の香りが漂ってくる(レストラン 日水土)

 美味しく、なおかつヘルシー。それを実現する上で不可欠なのは、「安全で健康的な素材を選ぶことだ」と新たにオープンしたレストランのシェフは口をそろえる。生産者に栽培法や飼育法を直接交渉するなど、素材の仕入れに力を入れる店が昨今増えているのは確かだが、銀座のレストランではその傾向が特に顕著だ。

 例えば、銀座一丁目にオープンしたレストラン日水土では、農薬や肥料を使わず育てる自然栽培の野菜を主に扱う。「きちんと畑を作ると、肥料や農薬はなくても健康で強い野菜が育てられます。本来あるべき姿で栽培した健康な野菜の美味しさを知ってもらいたい」とシェフの浅川勇人さん。

 同様に、自然に近い環境で育てられた国産食材を使用するレストランBistro MARCASSIN(ビストロ マルカッサン)の秋山直宏シェフは「本来、肉や魚、野菜も素材自体が健康でないと旨味は持ち得ない」と語る。

 健康な素材を使用したヘルシー料理は、どこか物足りない。そんなイメージは、どうやらすっかり過去のもののようだ。素材の生産過程にまで目を配り、納得して仕入れた食材の旨味を最大限に生かして料理を作る。そうした店が増えるのは、健康が気になる現代人にとっては嬉しい傾向だ。

おすすめ店舗

(文/宇治有美子、写真/赤松洋太)