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足にフィットする仮縫い付きの靴オーダー
靴底を薄く見せる日本古来の仕上げ技術も

 今年4月、銀座ベルビア館の中にオープンした紳士靴を中心とした鞄、革小物の専門店、三陽山長 銀座店。この店ならではの紳士靴の仮縫い付きカスタムオーダーが、銀座の靴好きの間で注目を集めている。

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シューズプロデューサー長嶋正樹氏が7年前に立ち上げ三陽商会をパートナーに展開する三陽山長

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写真上、三陽山長オリジナルの既成靴も常時60種類以上並ぶゆとりのある店内

 このオーダーシステムでは、約40種類のデザイン、上質なフレンチカーフをはじめとする35種類の革から好きなものを選び、自分だけの1足を手に入れることができる。価格は15万円台からと海外のビスポーク(注文靴)と比べると意外に思えるほどリーズナブル。中底の色や靴底の色まで選べるので、見えないお洒落にこだわる向きにも打って付けだ。

 完成まで半年以上はかかるフルオーダーの注文靴とは違って、既成の木型を使うため仕上がりまでの待ち時間は約5カ月。工程の9割近くは、靴作り50年を越える熟練の靴職人、関信義さんの手作業による。アッパー(上革部分)がほぼ完成したところで仕立服のように「仮縫い」を行ない、足へのフィット感を細かく調整してから靴底を縫い合わせる念の入りようだ。

 その仕上げの良さは素人目にも分かる。特に手縫いの縫い目が美しく並ぶ様子は、まるで工芸品のようだ。

茶色の靴はオーダーの見本。底の縫製も手縫い仕上げで26万2500円。奥は仮縫い状態のもの
オーダーサロンで革サンプルなどを見ながら、じっくり時間をかけて注文ができる

 カスタムオーダーよりさらに手軽にオーダーを味わえる機械縫いによるパターンオーダーなら7万円台から用意されている。履いた瞬間から足になじむオーダーならではの心地よさをひとたび味わうと、既製品は履けなくなるという。

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店から一言


「日本の靴職人の技をもっと知ってもらいたい」と語る大野喜徳店長


日本の靴職人の技を存分に楽しんで
通は雨の日専用靴もオーダーします

 「三陽山長 銀座店」では、イギリスやイタリアの高級紳士靴に優るとも劣らない、日本の靴職人の熟練の技を楽しんでいただけます。店内の一角に設けたオーダーサロンのソファーに腰かけて、好みのデザインや革の種類などをじっくりと選んでみてください。カスタムオーダーでは、写真や海外のファッション誌の切り抜きなどを持ち込んでの、デザインの指定も大歓迎です。

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英国製レザーを使い日本の職人が手仕事で作るブリーフケースは9万4500円~

 銀座店をオープンして約半年ほど立ちましたが、銀座のお客様は、靴をわかっている方が多いとつくづく感じますね。まったく同じデザインで、革底仕上げと雨の日専用のゴム底仕上げの2足を同時にオーダーされたり、靴を大切に長く使おうという方が多いのは、靴を販売する側の人間としてもうれしい限りですね。

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鞄類やベルト、財布などの革小物も人気が高いアイテム

 そんな通のお客様が、オーダー時によくオプションとして注文されるのが、欧州の注文靴にもない「ヤハズがけ」という日本ならではの仕上げ技術です。これは靴底の厚みを感じさせないようにコバと呼ばれる外縁部だけを斜めに刃物で削り取るというもの。「ヤハズがけ」仕上げにすれば、厚めの靴底でも外観上は薄く見せることができる匠の繊細な技です。ぜひお試しください。

 最近は、足の甲が薄く、長さはある人が増えています。こういう方は、なかなか既製品でぴったり合う靴がありません。当店でオーダーして、やっと自分の足に合う靴が見つかったと喜ばれるお客様も多いんですよ。

三陽山長 銀座店

・東京都中央区銀座2-4-6 銀座ベルビア館2階

・電話 03-3563-7841

・営業時間 11時~21時

・元旦のみ休

・カードほぼすべて可

・カスタムオーダー15万7500円~

・機械縫いによるパターンオーダー7万3500円~

・オリジナルブランド既成靴2万4900円~

(文/礒部道生 写真/清水俊和)