亜美・真美のキャラクターが、「とかち」のフレーズを生んだ!?

――アーケード版のリリースが2005年なので、最初の収録は結構前のことですよね。

下田:そうですね。まず最初にセリフより先に楽曲5曲を録ったんです。だから一部の歌は微妙に掴めてなくて(笑)。

――楽曲の収録時のエピソードをお聞かせいただけますか。

下田:亜美・真美ちゃんというキャラクターは、全員の中で最年少で、まだ恋も知らないような元気な子なんですね。キャラクター的に女の子らしい部分もあまり出せないので、曲によってはパワーで乗り切れるものとそうでないものがありました。特に亜美・真美ちゃんが苦手とするジャンルは、収録に時間がかかりましたね。『蒼い鳥』という曲の「でも昨日には帰れない」という歌詞でどうしてもコブシが回ってしまって、そのために収録に2日かかってしまったんです。

――ネットで話題になっている『エージェント夜を往く』や『relations』などの一部の曲にも、その影響がありますが、コブシを回すのはお好きなんですか?(笑)

下田:実は小さい頃から演歌が好きで、初めて覚えた歌が『みんなのうた』で流れていた『一円玉の旅がらす』だったんです。子どもの頃から歌っていたクセがついちゃったんですかね(笑)。それを考えると『蒼い鳥』でコブシを回してもよかったかも……やっぱりダメかな(笑)。

『エージェント夜を往く』は、もともとボーイッシュなキャラクター「菊地真」のテーマソング。これを亜美・真美が歌うと、歌詞とキャラクターのギャップが面白い。彼女の歌い方にクラッときたファンは数知れず
(C)窪岡俊之 (C)2003 2007 NBGI

――『エージェント夜を往く』での「とかちつくちて」のフレーズはどのような意図で?

下田:よくプレーヤーの方に「あさぽんは『さ行』が言えないの?」て言われるんです(笑)。何度も録り直した結果、あの曲になったと思われてるフシがあるんですけど、決してそうではないんです。『エージェント~』って、私が聴いたときに「これはっ!」って思った曲なんですよね。でも亜美・真美ちゃんの持ち歌じゃなかった。そこで彼女たちの「純粋だけどちょっとエッチで意地悪」な性格を意識して、曲のエロチックな部分をからかうように誇張して歌ったんですよ。「溶かしつくして」なんて歌詞、エロっぽいでしょ?(笑) それをからかう感じで口を横に開いて歌ったら「とかちつくちて」になったんです。「乱れる悦びを」でコブシを回すフレーズも同じ理由ですね。

――なるほど、歌い方にキャラの意識をかぶせたんですね。

下田:決して狙ったわけではないので、当初は私もスタッフさんも誰ひとりとして気付いてなかったんです(笑)。アーケード版がリリースされたあとに、ラジオのリスナーの方からお便りがあって、そこで初めて気付いたんですよ!

――それがXbox 360版の発売で、さらにブレイクしたわけですね。

下田:アーケード版で盛り上がったときから、Xbox 360版でさらに盛り上がるとは思っていませんでした。演技で歌ったつもりだったんですが、ビックリですね。

――『relations』でコブシが回るのも同様の理由で?

下田:『relations』はXbox 360版での新収録の曲なんですが、『エージェント~』のときと同じく初めて聴いたときにビビッときた曲なんです。そこで作曲家さんに「この曲は『エージェント~』を超えよう!」と言われまして、すごく感情を込めて歌ったんですよ。私って、感情を込めるとコブシが回るクセがあるみたいで(笑)、それならその部分を全面的に押し出そうという感じでレコーディングしました。

『relations』はXbox 360版での新曲。三角関係をテーマに歌った曲だが、亜美・真美に歌わせるとやはりそのギャップが楽しい。亜美・真美バージョンはCD『THE IDOLM@STER MASTER BOX II』に収録されている
(C)窪岡俊之 (C)2003 2007 NBGI

NEXT次の『アイマス』があるなら、演歌を歌ってみたい