デジタル一眼レフカメラとしては世界最小・最軽量を誇るペンタックスの「*ist D」。希望小売価格はオープンで、実売価格は18万5000円前後。写真のレンズは、本体と同時発売になった「smc PENTAX Jズーム 18-35mm F4-5.6 AL」で、こちらの実売価格は2万5000円前後となる

 「デジタル一眼レフカメラ元年」とも呼べそうな2003年、世界最小・最軽量のレンズ交換式一眼レフデジカメとして登場したのが、ペンタックスの「*ist D(イスト・ディー)」だ。デジタル一眼レフとしては比較的安価な部類に入る価格と、エントリーユーザー向けフィルム一眼レフカメラ「*ist」と共通のネーミングから、初心者向けの製品と思われるかもしれない。しかし実際はそうではなく、ハイアマチュアをターゲットとした製品として登場したモデルだ。

●ファインダーはクラス随一の仕上がり

 手にした*ist Dは、デジタル一眼としては文句なしの小ささであった。小さいながらも、各部の作りや堅牢感は、安価な入門用フィルム一眼レフなどとは明らかに一線を画している。長い間、小型の一眼レフカメラを追求してきたペンタックスの製品である、ということが実感できるところがうれしく感じた。ただ、コンパクトゆえにグリップ部が小さく、指のかかりも少ない形状なので、筆者の手にはしっくりとなじまなかった。手の大きな男性は、まず握り心地を販売店などで実際に確かめてみる必要がありそうだ。

グリップ部の前面と背面の2カ所に用意されたダイヤルや、左手の部分に用意された大型モードダイヤルなど、使いやすさを重視した操作レイアウトになっている。設定絞り値まで絞り羽根を絞り込む“プレビュー機能”は、電源レバーを強く引くことで可能。それと同時に、上面の情報ディスプレイも緑色に照明される

背面パネルは比較的オーソドックスなレイアウト。銀色に塗られた十字ボタンの周囲には、測距点選択ダイヤルが設けられているが、ここに指が当たって十字ボタンが押しづらいのは改善してほしい

 撮影を始めて感心したのは、ファインダー像の大きさだ。デジタル一眼レフのほとんどが、フィルム一眼レフよりもファインダーに写る画像が小さく見づらいのだが、デジタル専用に新開発した*ist Dのそれは大きく見え、視認性も良好。ただし、今回試用したレンズはテレ端がF5.6と暗めなので、この組み合わせの場合にはファインダーがやや暗く感じるかもしれない。

メニュー画面は比較的シンプルな構成になっている。メニューの構造は深くなく、説明書を見なくても扱える 再生時にはこのように詳細な撮影情報を表示することも可能。ヒストグラムも別画面で大きく表示できる

 だが、これはファインダーをあくまでも画作りをサポートするための大切な道具と考えたうえでの設計。明るさを優先するあまり、ボケ具合を確認しづらく、正確なピント位置の確認さえ困難なファインダーもあるが、*ist Dはそうではない。マニュアルフォーカスでもピント合わせがしやすい素直な再現性を重視しているのだ。

同じ一眼レフデジカメのニコンD1(左)と比べると、大きさの違いがはっきりわかる。バッテリーを含めた重さも、*ist Dは600g前後で収まる

 ペンタックスのフィルム一眼レフからの特徴でもあるが、使いやすいと感じたのがハイパー機能だ。機能の1つ目である“ハイパープログラム”とは、P(プログラムモード)での撮影中に前ダイヤルを動かすとシャッタースピード優先モードに、後ろダイヤルを回せば絞り優先モードに即座に切り替わり、そのまま撮影ができるというもの。

記録メディアは、マイクロドライブを正式にサポートしたTypeII対応のコンパクトフラッシュを採用する。ただし、カードに指がかかりにくく、取り出しに苦労するのがやや難点といえる 電源は単3型乾電池を4本、もしくはCR-V3を2本使用する。CR-V3使用時にはストロボ無発光で約1000枚、ストロボ50%発光でも約900枚撮影できるなど、電池の持ちはよいほうだ